ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
15話
ギルド前の噴水広場でベルはある人物を待っていた。
「そろそろかな?」
「ベルくーん!」
「あ、エイナさ」
そこには何時ものギルドの受付嬢の制服姿のエイナではなく、眼鏡をはずした私服姿でベルのもとへとやって来た。
「ごめんね、待たせちゃったかな?」
「……」
「ベルくん?」
「あっ、す、すいません!その」
「なにかな?もしかして、見惚れてた?」
エイナの言葉に顔を赤くして頷く。
「ふーん。ちなみになんでかな?」
「その、何時ものギルドの制服姿よりも可愛く見えたので。それに眼鏡を外した方が瞳が綺麗に見えたので」
「そ、そっか。その、ありがとう」
エイナは照れながらお礼を言う。それを見ていた周りの独身、彼女いない歴=年齢の男性たちはベルへと嫉妬と殺意のこもった視線を向けていた。
「そ、それで僕の服を見に行くんですよね?」
「あ、うん!そうだよ。それじゃあ行こうか」
そのまま二人は目的の場所へと向かっていった。
「ここだよ、ベルくん」
「ここですか?」
そこは男女の私服など様々な服が売っている店だった。
「ほら、入ろ?」
「え、あ、ちょっとエイナさん!?」
そのままエイナに引かれる形でベルは中へと入る。
「ベルくん、ベルくん!この服なんてどうかな?」
「あ、それいいですね。エイナさん、この服の色ならどっちが似合っていますか?」
「うーん。その色だとベルくんの左手に持っている方の色の服の方がいいと思うな」
数分後には見事にカップルのような会話になっている二人であった。その姿を見ていた店員の数名が微笑ましいものをみているような顔をしていた。
「色々買えました。ありがとうございます、エイナさん」
「ううん。良いんだよ。私が好きでやっていることなんだから」
欲しい服を買い終わった後、他の店を転々としていた。
「あ、エイナさん。少し待っててもらって大丈夫ですか?神様に日頃の感謝を込めてプレゼントを買っていきたいので」
「それなら、私はこっちでアクセサリーとか見てるから」
そのまま二人は別行動をとることになった。
エイナside
ベルくんと別れて数分。私はアクセサリーを眺め終え、外でベルくんを待っていることにした。
「ベルくんって神ヘスティアのことをとても大切にしてるんだね」
先程のベルの表情はとても優しい表情だった。
「私にもあんな表情してくれるのかな」
そこまで考えて私は顔が熱くなるのを感じた。
「な、何をいってるのかな。私ったらっ!」
「へい、彼女もしかして一人?」
「ちょっと俺たちと遊ばない」
すると、私にチャラそうな男性二人が話しかけてきた。所謂ナンパだと理解した。
「いえ、私今彼を待ったいるので」
「こんな可愛い彼女ほっとく彼氏なんて無視して俺たちと遊ぼうぜ」
「そうそう、その彼氏なんかよりイイことしてやるぜ」
「触らないで!」
二人のうちの一人が私に触ろうとしてきた。いくら半分はヒトとは言え、もう半分はエルフだ。心から許していない異性に触れられるのはとてつもない嫌悪感があるのだ。
「チッ!おい、無理矢理つれてくぞ!」
「へへ、こいつはいくらで売れるかな?」
「そこで何をしているんですか?」
「「あ?」」
そこには買い物を済ませたベルくんがいた。
「なんだよ、このガキ」
「彼女は僕の連れなので他のヒトを当たってください」
「はっ、てめえみてえなガキにこんなイイ女はもったいねえよ。俺たちが遊んでやるよ」
「聞こえませんでしたか?彼女は僕の連れなんです。何処かへと行ってくれないですか」
普段のベルくんから感じれない雰囲気に不覚にも少しだけドキっとしてしまった。
「調子のってんじゃねえぞ!こっちはLv.2だぞ!」
一人の男が短刀を取り出して、ベルくんへと襲いかかった。
「ベルくん!?」
「解放、雷切丸」
ベルくんが魔剣を喚び出して相手の武器を破壊して、首もとへと刃を突き立てた。
「ここで選べ、このまま去るか僕とここで戦って負けるか」
「ヒッ、おい行くぞ!」
そのまま二人は逃げていった。
エイナsideend
「大丈夫でしたか、エイナさん?」
「え、あ、うん。ありがとうね」
魔剣を仕舞い、ベルはエイナを心配していた。
「あ、そうだ。買えたの?神ヘスティアへのプレゼントは」
「あ、はい。無事に買えました。それでエイナさんは何かいいものはあったんですか?」
「うーん。そうでもないかな?」
エイナは苦笑いを浮かべながら答えた。
「そうでした。それならこれをどうぞ」
「え?」
ベルが渡したの袋のなかには緑色の水晶のネックレスが入っていた。
「ど、どうしたの?これ!?」
「さっきここに来るまでにもう一件アクセサリーとか売っているお店があったじゃないですか。そこで買ったんんです。今日のお礼となんだかその水晶をみてなんだかエイナさんの瞳みたいだなって思ったので」
エイナはネックレスをじっと見ていた。
「その、気に入りませんでしたか?」
「ううん。とっても嬉しいよ!」
そのあと二人はそれぞれのうちへと帰り、ベルはヘスティアにプレゼントを渡すと熱い包容を受けたのだ。
「あれ?エイナ、そのネックレスどうしたの?」
「これ?これはね、貰ったんだ」
「へぇ~もしかしてエイナのお気に入りのあの子からかな?」
「ふへぇ?!」
エイナの顔をが一気に赤くなるのを見られ一日中弄られたのであった。
ページ上へ戻る