八条学園騒動記
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第五百十二話 カレー料理その五
「それならな」
「いや、セーラカレーライス好きだけれど」
「それでもだな」
「カレーはカレーって言ってて」
「カリーはカリ-だな」
「そう言ってるから」
もうその時点で分けているというのだ、カリーはマウリアのものであるがカレーはそうではないとである。
「カツカレーも美味しいって言うけれど」
「マウリアにはないと言ってるか」
「ええ、絶対にね」
「本当に日本で考えられた料理だからな」
「その千葉茂さんね」
「巨人の選手だったな」
「ああ、遂に五百年連続最下位を達成した」
銀河の時代このチームは千年間優勝したことがないことで知られている、しかもその間最下位になったことが九百五十回以上という偉業を達成している。
「あのチームの選手だったの」
「昔は強かったらしいな」
「歴史があるだけの弱小球団じゃなかったのね」
「昔は親会社がマスコミでマスコミが力があってな」
「それで強かったの」
「今じゃお金も何もないチームだがな」
そうなったのだ、素晴しいことに。
「昔はお金も選手もいてな」
「強かったのね」
「それでその千葉という選手が考えたのがカツカレーでだ」
「マウリアにある筈ないのね」
「そもそもな」
「それでセーラもああ言うもね」
「マウリア料理とな」
カリーではない、と言うというのだ。
「カツカリーは言わないな」
「そういうことね」
「それで蝉玉もラーメンはな」
「中華料理じゃない」
「そう言っていた、中国は麺類の国だが」
中華料理に多いのだ、そもそも麺は中国からはじまっている。
「ラーメンはない」
「ラーメンじゃなくてよね」
「拉麺だ」
「そっちよね」
「日本のラーメンの元らしいが」
「拉麺であってよね」
「ラーメンじゃない」
断じて、というのだ。
「蝉玉自身が言っていたしな」
「その中国人がね」
「拉麺はラーメンの元みたいだが」
「また違うのね」
「最初に食べたのは徳川光圀だったか」
この時代でも水戸黄門として愛されている人物だ、学問を愛しかつ豪胆な人物であったことでも知られている。
「そして明治維新からな」
「あの頃からなの」
「街でも食べられる様になったらしい」
「そうだったのね」
「志那そばとか言われてな」
「ああ、志那はね」
この言葉を聞いてだ、ナンシーはこう述べた。
「中国はチャイナだからね」
「それを漢字にするとな」
「志那だしね」
「秦がなまってだ」
始皇帝のその国だ、中国を周から何百年ぶりに統一し皇帝を定めた。
「チャイナになったし志那という言葉にもな」
「なったわね」
「それで志那そばとかも言われていてだ」
「どんどん独自の進化をして」
「ああなった」
「成程ね」
「インスタントラーメンも出たしな」
この料理もこの時代にも存在している。
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