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夢幻水滸伝

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第九十話 大和の四人その三

「奈良いうたら柿の葉寿司やけどな」
「あれは飽きたわ」
 紗枝が瑠璃子の今の言葉に笑って返した、もう鮪の握りを食べながら飲んでいる。
「いい加減な」
「奈良名物言うたらこれと素麺でな」
 瑠璃子も笑って言う。
「しょっちゅうやしな」
「お土産いうたら柿の葉寿司やし」
「それでこうした時に食べても」
「あれやしな」
 飽きているからだというのだ。
「買うつもりないな」
「ほんまにな」
「けれどこの世界にも握り寿司あるねんな」
 由香ははまちを食べつつ話した、食べているのは納豆巻きだ。
「ほんまはこれ江戸時代で海から離れてるところでは冷凍技術出来てから食べられる様になったんやろ」
「ああ、こっちの世界氷使う術とか色々あるからな」
 雅美が由香の疑問に答えた、彼女は鮭を食べている。
「そやからな」
「こうしてお寿司も食べられるんやな」
「奈良やのに」
「それも昔の頃の奈良やのに」
「そうみたいやな、しかしな」
 さらに言う雅美だった。
「この世界のこと何かと勉強せんとな」
「まずはな」
「住むところも決まったり」
「そやったらな」
「それはこれからやね、まずはや」
 雅美は今度は蛸を食べつつ言った。
「お寿司食べてお酒飲んで」
「お風呂にも入って」
「そうしてやな」
「ゆっくり寝よな」
「そや、お家が手に入ったんや」
 それならというのだ。
「それからはな」
「飲んで食べてな」
「お風呂にも入って」
「寝てからやな」
「そや、人は体調が万全でないとな」
 何も出来ないとだ、雅美は仲間達に話した。
「あかんしな、それで明日の朝起きて」
「朝御飯食べて」
「お米と調味料とお漬けものも買ったし」
「お野菜とかもな」
「そやったらな」
 そうしたものも既に買っている、四人は何かといい加減であるが生活や倫理で押さえるところは押さえているのだ。
 それでだ、瑠璃子も仲間達に言ったのだ。
「朝御飯食べてからこれからどうするか考えよな」
「明日の朝にな」
「そうしよな」
「まずはそれからや」
 三人も応えた、そうしてだった。
 四人はまずは寿司を食べて酒を飲み屋敷の中にあった風呂に入った。風呂は術で入れることが出来るもので実に快適だった。釜で炊くものではなかった。
 それでだ、その日はゆっくり寝て朝御飯を作って食べてだ。四人はあらためてこれからのことを話した。
「さて、どうしよ」
「うち等この世界を救う使命があるらしいけど」
「具体的にどうして世界救う?」
「そもそもこの世界の危機って何やろな」
 屋敷の大広間で車座になってお茶を飲みながら話した、お茶菓子もある。
「そこも気になるな」
「ほんまにな」
「何やろな、危機って」
「一体な」
 このことも話す、だが四人共このことは自分達で話してもわからないと思った。それでこの話は紗枝が言った。
「まあそのうちわかるか、これ」
「そやな、ほな今話しても仕方ないな」
「それやったらここで話さんでもええな」
「そういうことやな」
 三人もそれでと頷いた。 
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