夢幻水滸伝
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第九十話 大和の四人その二
「これから」
「そやな、けどうち等今お家もないで」
紗枝はこのことを話した。
「宿なしや」
「お金はあるけどな」
雅美は懐に財布があることに気付いた、中を見れば多くの小判や札があった。
「それも結構あるで」
「ほなまずはお家買うか」
「借家にしても」
「お家ないと何もはじまらんわ」
他の三人もこう言った。
そしてだ、四人共すぐに決めたのだった。
「ほなまずはお家買うか」
「この奈良でな」
「四人で楽しく暮らせる家買おうな」
「そうしよな」
四人は早速だった、家を提供してくれる店彼女達の世界で言う不動産やを探した。それで店に入るとだった。
店の親父、年老いたオグルの和服を着た親父にこう言われた。
「お客さん達星の人でっしゃろ」
「そやで」
その通りだとだ、瑠璃子が親父の問いに答えた。
「今話した通りにな」
「この世界救ってくれるって聞いてますけど」
「そうらしいな」
「早速どっかの悪い奴とか退治したりとかは」
「いや、その前に何ていってもや」
「お家が必要ですか」
「そう考えてな」
それでとだ、瑠璃子は親父に答えた。
「このお店に入ってやねん」
「お家をといいますか」
「お金あるで」
このことは由香が話した。
「四人合わせて四百両あるで」
「四百両でっか」
「そやで、それだけあるわ」
「四百あれば」
どうかとだ、親父はしばし考える顔になってから四人に言った。
「二百両でこのお見えで一番いいお屋敷買えますで」
「お屋敷って」
意外といった顔でだ、紗枝が言った。
「それはまた」
「いや、大金でっせ二百両でも」
「それでやなんな」
「ほんま二百両あったら」
それこそというのだ。
「奈良の街の大通りにでっかいお屋敷ありますさかい」
「そこにやね」
「入られますで」
「ほなそこにしよか?」
その話を聞いてだ、雅美は三人に顔を向けて言った。
「お家な」
「そうしよか?」
「大通りやと色々便利やしな」
「街の行き来にも買いものにもな」
「そやな、ほんまお家ないと」
何よりもとだ、雅美も話した。
「はじまらんし」
「そうやしな」
「ほなそのお屋敷にしよか」
「そこに入らせてもらおうか」
こう話してだ、四人は親父から二百両でその屋敷を買うことにした。このことを決めてそのうえでだった。
四人はその屋敷に入った、屋敷は奈良時代の唐代の屋敷を模した造りだったが和風の畳のある部屋も多かった。
家具もすぐに買って四人は近くの店で買った寿司や酒で乾杯をして入居祝いをはじめた、だがここでだった。
瑠璃子は寿司を見て三人に言った、寿司は握りし寿司と巻き寿司である。
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