夢幻水滸伝
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第九十話 大和の四人その四
「ほなうち等はうち等の出来ることをする」
「それだけやな」
「とりあえずはな」
こんなことを話してだ、四人はとりあえず自分達が出来ることで世界を救おうということで結論を出した、そうしてだった。
このことを決めてからだった、四人はあらためてこれからどうするかを話した。
「それでどうする?」
「具体的にどうして世界救う?」
「何をしてかたな」
「それが問題やな」
四人でお茶とお菓子を楽しみ続けながら話すのだった。
「何をどうすればええか」
「世界救ういうても」
「まずは世界を統一とかか?」
「そんなんうち等の柄やないしな」
四人共権力や地位には興味がない、自分達が楽しめればそれでいいのだ。そうした意味では無欲なのだ。
だからここでそうした発想はなかった、それで話すのだった。
「何をするかってなるとな」
「これって思いつかんな」
「色々やることあるにしても」
「何する?」
四人であれこれ話すがこれといって思いつかない、それでだった。
四人共とりあえず奈良の街に出た、するとだった。
子供達が自分達よりも小さな子供をいじめていた、四人はその場面を見てすぐに子供達のところに来て注意した。
「こら、いじめたらあかんで」
「いじめは最低の行いやで」
「むしろ弱い相手は守らなあかん」
「今度したら許さへんで」
こう言って注意して止めさせた、そしてだった。
重い荷物を持っている老婆の荷物を持って道を聞いた人に案内をして喧嘩の仲裁をしてだった。そうして半日過ごした。
昼食の後午後もそうして三日程過ごしたが。
春日大社の鹿の世話の手伝いをしている時に宮司の人に言われた。
「何でも屋とかしたらどうですか?」
「そうしてですか」
「困ってる人を助けてですか」
「世界救ったらええですか」
「そうしたらええですか」
「はい、貴女達確かにええ加減ですけどええ人達ですから」
困っている人達を見捨てておけない、だからだというのだ。
「そういうことをしてです」
「世の中を助ける」
「そうしたらええですか」
「この世界を」
「それが私達の世界の救い方ですか」
「そうしたらどうですか?」
こう四人に言うのだった。
「ここは」
「そうですね、ここ三日考えてましたけど」
「それがええですね」
「ほなそうしますか」
「うち等は」
「はい、そういうことで」
こう話してだ、そしてだった。
四人共自分達の屋敷に看板を出した、紗枝が自身の神器である弘法の筆で抜群の字を書いてそうした。
そこには何でも屋と堂々と書いてあった、紗枝は自分が書いた文字を見てそのうえでドヤという顔で三人に言った。
「ええ字やな」
「ああ、目立つわ」
由香もこう言った、その看板を見て。
「仕事の依頼どんどん来るで」
「人助けこそ世界を救うことや」
雅美は笑って言った。
「考えてみれば真理やな」
「まあこっちの世界の暮らしの為にお金は貰うけれど」
瑠璃子は報酬の話もした。
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