八条学園騒動記
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第五百九話 ラッコ達その十
「絶対よ」
「だからナンも様付けか」
「あんたが為朝さんを公って付けてるのと同じよ」
「そういうことか」
「だからね、モンゴルの歴史は」
「二つのはじまりは、か」
蒼き狼と白き牝鹿のそれとチンギス=ハーンの前半生はというのだ。
「どうもね」
「神話の様なものとか」
「言われたらね」
それこそというのだ。
「どうにも否定出来ないわね」
「そうなのだな」
「私はチンギス様は真実だって確信してるけれど」
このモンゴル最大の英雄のことはというのだ。
「狼と鹿のお話は神話でもね」
「そちらは真実か」
「それでダンもでしょ」
「俺も確信している」
ダンはナンの今の問いにはっきりと言い切った。
「為朝公は琉球に逃れられてだ」
「琉球の最初の王様になったのね」
「尚氏の祖にな」
「それで琉球を治めたのね」
「そうだ」
ダンの言い切る言葉は変わらない。
「絶対にな」
「その辺りどの国でもそうね」
「英雄の話はな」
「例え創作臭くてもね」
「真実だと言う」
「そうよね」
「教科書でもそう書いてだ」
そのうえでというのだ。
「子供に教える」
「そうなるわね」
「だからそれでいいだろう」
「それが真実ならっていうのね」
「俺はそうも思う」
「そこね、私もね」
「そうした考えだな」
「そうなるわね、しかし琉球の歴史も色々ね」
「長い間日本だったしな」
明治指針からのことである。
「それで宇宙の時代に又独立してな」
「王国になったわね」
「日本時代変な奴が多かった」
「変な奴?」
「妙な運動家がやたら本土から来たりマスコミが異常でな」
「そうしたことも教科書に書いてあったのね」
「アメリカの基地があってそれに反対ばかり言っていたが」
それがというのだ。
「そう言う連中の後ろには北朝鮮がいたりな」
「ああ、もうない国ね」
「あの国が工作していたりな」72
「それは酷いわね」
「大戦だと激戦地だったしな」
「第二次世界大戦ね」
「あの時は凄かったらしいしな」
鉄の嵐とまで呼ばれる激戦だった、その結果多くの戦死者が出た。
「そう思うとな」
「沖縄の歴史も色々あったのね」
「宇宙の時代になって独立してからは平和だけれどな」
「のどかな国ってイメージあるわね」
「実際にのどかな国だ」
そのイメージ通りだというのだ。
「至ってな」
「やっぱりそうなのね」
「のどかでだ」
それに加えてというのだ。
「平和だ」
「連合の中でも」
「商売はしているがな」
「のんびりした国なのね」
「仕事はしているが仕事が終わるとな」
その後のことをだ、ダンは今言うのだ。
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