八条学園騒動記
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第五百九話 ラッコ達その九
「源平の戦いの初期の頃だな」
「大昔ね」
「チンギス=ハーン以前だからな」
「モンゴルも歴史長いけれど」
「チンギス=ハーンの統一がか」
「節目なのよ」
時代感覚のそれだというのだ。
「あと匈奴登場とね」
「それでか」
「結構分かれて、その頃って」
「十一世紀はか」
「もうね」
「大昔か」
「そんな感覚よ」
まさにというのだ。
「私としてはね」
「二千年以上前の話だしな」
「そうよね、本当に大昔よね」
「俺もそう思う、実際な」
「やっぱりそうよね」
「琉球はその為朝公の即位が建国の時だ」
尚家の祖先となってというのだ。
「丁度な」
「その頃なのね」
「それまではな」
「国がなかったのね」
「これといってな」
「部族の集まりだったのね」
「豪族だな、有力な」
部族ではないというのだ。
「琉球ではな」
「その割拠だったのね」
「そんな風だった」
「その辺りもわかったわ」
「もう建国前のな」
「王様の英雄譚ね」
「そんな話だ」
神話にある様なものだとだ、ダンは言うのだった。
「言うならな」
「チンギス様のテムジン時代のお話みたいなものね」
「その頃も色々あったな」
「ええ、ドラマだったわ」
テムジンの頃のこともというのだ。
「何かとね」
「恋愛あり、親友との友情と決戦ありのだな」
「そう、色々あってね」
そしてというのだ。
「チンギス=ハーン様になられた」
「そうした話だな」
「ただね」
それでもとだ、ここでこうも言ったナンだった。
「今も言う人いるけれど」
「何だ」
「いや、テムジン様は実在しなかったとかね」
「そうした説もあるか」
「そうなのよ、これが」
こうした説はこの時代にも存在している、チンギス=ハーンの生涯もその前半生は謎の部分が多いままなのだ。
「チンギス=ハーン様はテムジン様じゃないってね」
「そうも言われているのか」
「モンゴル人は違うって言うけれど」
「教科書にもそう書いてあるか」
「ええ、テムジン様の頃にご幼少から苦労されて」
そしてというのだ。
「モンゴルを統一されて」
「チンギス=ハーンとなったか」
「そうなった方ってね」
「教科書には書かれてあるんだな」
「モンゴルの教科書での見せ場の一つよ」
そこまで扱いが大きいというのだ。
「かなりのページ割かれて書かれているし」
「そうなのか」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「偉大なるって先について」
「名前の前にか」
「様付けはね」
この尊称はというのだ。
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