夢幻水滸伝
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第八十九話 東国統一その四
「あっさり降ってはおら達だけでなく東北と蝦夷自体が軽く見られて」
「内政が後回しにされて貧しいままだって思ったんじゃな」
「そう思ってですだ」
それでというのだ。
「戦しました」
「そうだよな、けれどな」
「その心配はですか」
「最初からなかったぜ、おいらはでっかい人間になりたいんだ」
だからだとだ、幸田は宮沢に笑って応えた。
「国も人も贔屓とかな」
「しないですか」
「絶対にな、それでな」
幸田はさらに言った。
「東北も内政していくぜ」
「そうしてくれたら有り難いですだ」
「おう、九人全員の力でな」
それを使ってというのだ。
「どんどん内政していくぜ」
「わかりましただ」
「さて、これから忙しくなるぜ」
幸田は今度は東国の星の者達全員に告げた。
「いいな」
「東国全体の内政だね」
「おう、今日本じゃ近畿が一番豊からしいな」
「あそこは凄いみたいだね」
麻友が幸田のその言葉に彼の横から応えた。
「人が多くて産業も発達しててね」
「しかも神星が二人もいてな」
「やっぱりダントツだね」
「その強さはな、だから絶対にな」
幸田は砕けた仕草で麻友に話した、麻友はその彼の横で背筋を伸ばして正座をしてそのうえで応えている。
「勢力をどんどん拡大していくぜ」
「そうなってくんだね」
「それで今の時点で日本第一の勢力だけれどな」
「これからもだね」
「勢力を拡大してくるからな」
だからだというのだ。
「この連中と戦うことになるぜ」
「いづれはだね」
「それで日本の覇権を争うことになるな」
「じゃあその近畿に対抗する為にも」
「ああ、こっちもな」
「強くなるんだね」
「内政に思いきり力を入れてな」
そうして国を豊かにしてというのだ。
「それからもだよ」
「さらにだね」
「ああ、勢力を拡大していくぜ」
「では東海や北陸、甲信を攻めるか」
日毬は幸田に鋭い目で問うた。
「そうしていくか」
「そうさ、内政で力を蓄えながらな」
「日本を西に進むか」
「統一はおいら達がするぜ」
幸田はここで宣言した。
「いいな」
「その意気ですね」
千歳は九人の中でとりわけ小さい、だが確かな声で言ってきた。
「そして本気で」
「ああ、統一目指すぜ」
「それでは」
「まずは大々的に内政をやるぜ」
こう言って実際にだった。
幸田は東国全体の内政にかかった、関東に比べて貧しい東北の内政にも力を注ぎ金も人手もかなり注ぎ込んだ。
金山も掘り浮島は東国近辺のものは全て占拠しそこの内政も力を入れた、そして蝦夷の北の方もだ。
樺太そして千島列島まで進出した、その辺りのことを聞いてだった。
幸田は江戸城で腕を組んで探索から帰った武者小路に話した。
「そうか、やっぱり寒くてか」
「ええ、しかもです」
女の喋り方の調子でだ、武者小路は幸田に話した。
「浮島もあって」
「そちらもだな」
「進出しまして」
それでというのだ。
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