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夢幻水滸伝

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第八十九話 東国統一その三

「こちらも秘奥義を出そう」
「秘奥義?」
「そうだ、その一つをな」
 己の言葉にいぶかしんだ三人にだ、即座にだった。
 日毬はその秘奥義を出した、不意に姿を消して声だけが言った。
「光動」
「消えた!?」
「まさか」
「消えたのではない」
 この言葉と共にだ、瞬時にだった。
 日毬は三人がそれぞれいる場所に向かいそうしてみね打ちを浴びせた。そのうえで三人を瞬時に倒した。
 戦はこれで終わり三人は日毬によって捕虜となり城全体も幸田達が率いる軍勢に占領された。そうなってだった。
 会津若松城は陥落し戦自体も終わった、東国を巡る戦は終わり関東の勝利で統一されることとなった。
 日毬は戦が終わるとすぐに仲間となった宮沢達に話した。
「私が出した秘奥義だが」
「光動ですね」
「身体の動きを僅かな間だが文字通り光の様に素早くさせる」
「そうした剣術ですか」
「そうだ」
 こう宮子に話した。
「僅かな間だがな」
「そうして動いてですか」
「敵を攻める、あの様にな」
「そうした奥義なのですね」
「そういうことだ、ただ僅かな間とはいえ恐ろしい速さで動くのだ」
 文字通り光の様にというのだ。
「かなりの力を使う、他の秘奥義も同じだが」
「みだりには使えないですか」
「まさに切り札だ」
 日毬は強い声で言った、今東国の星の者達は江戸城の中で揃っている、幸田の意見で車座になって話をしている。
「ああした時にこそ使うものだ」
「そうなのですね」
「そして使ったが」
「やられました」
「私も秘奥義を使わざるを得なかった」
 その切り札をというのだ、こうしたことを話してだった。
 そしてだ、次は幸田が話した。
「それでな、東国が一つになったけれどな」
「あの」
 幸田が言うとだ、千歳が応えた。
「東北そして蝦夷の国々と民達は」
「東国の国と民じゃ」
 それでとだ、幸田は千歳にすぐに答えた。
「それならじゃ」
「関東の国々や民と同じくですか」
「治めていくからな」
「そこはですか」
「安心してくれよ、それにな」
「それにとは」
「東北はまだまだ貧しいからな」
 それでというのだ。
「じっくり治めるからな」
「そうしてくれますか」
「ああ、勿論蝦夷もな」
 この地域もというのだ。
「治めていくからな、幸い日本全体がそうだけれどな」
「日本全体が、ですか」
「東北にも金山があるだろ」
「金山の富も使って」
「浮島にもあるしな」
 金山がというのだ。
「どんどん掘ってそうしてな」
「そのお金で」
「東北と蝦夷の内政をやっていくぜ」
「そうしてくれますか」
「勿論関東もな、内政第一でい」
 これが幸田の考えだった。
「関東を贔屓しねえからな」
「そう言って頂いて助かりました」
「あれだろ。おめえさん達が関東との戦を選んだのも」
「そうですだ」
 その通りだとだ、宮沢が幸田に答えた。 
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