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夢幻水滸伝

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第八十七話 青葉城の会見その十三

「そうだろ」
「その通りだな、博打というものはだ」
「儲かるものじゃねえだろ」
「儲かるのは親だ」
 つまり場所を出して仕切っている者達だというのだ。
「店の者達だ」
「そうだよな、やっぱり」
「儲かるのはそちらだ」
 まさにというのだ。
「だからヤクザ者達もするのだ」
「だよな、そう考えるとな」
「博打をするとだ」
「ヤクザ屋さんが儲かるな」
「だからああした連中を弱めたいならな」
「特に博打か」
「連中の仕事を奪うことだ」
 それが大事だとだ、日毬は述べた。
「それは貴殿が言ったことだが」
「おう、実際にな」
 その通りだとだ、幸田も答えた。
「おいらが言った言葉だな」
「そうだな」
「ああ、ヤクザ屋さんが多いとな」
「それだけで何かと問題だ」
「何かと厄介なことしでかすだろ」
 それがヤクザ者というものだ、だからこそ多くの者に忌み嫌われああはなるなと言われるのである。
「だからな」
「出来るだけだな」
「取り締まることと一緒にな」
「連中の金の元を潰していくか」
「おう、だから博打もな」
「これからは我々がだな」
「やってくぜ、それで破産しそうな奴にはな」
 まさに博打に溺れた者達にはというのだ。
「それ自体をさせねえ」
「破産させない為にだな」
「そうだよ、博打で身を滅ぼす奴はな」
「もうさせないことだな」
「病みつきになってるならな」
 そうした者はというと。
「それを治さないとな」
「駄目だな」
「そのこともやる必要があるか」
「政としてな」
「そうか、考えているな」
「おいらなりにな」
「よく考えている、何はともあれ博打もだな」
 日毬は幸田にあらためて話した。
「貴殿は溺れないな」
「ああ、ただ本当に遊び自体はな」
「好きだな」
「遊びは女や博打だけじゃねえだろ」
「衆道だけでもない」
 同性愛のことだ、男同士のそれをこう呼ぶのだ。
「他にも色々あるな」
「おいらは酒と食いものとな」
「そうした遊びの方が好きだな」
「おう、例えばけん玉とか独楽とか双六とかあるだろ」
 そうしたものがというのだ。
「そういうので遊んでるんだよ」
「成程な」
「こっちの世界邪な、本も読んでるしな」
「そちらも楽しみだな」
「武道の鍛錬もしてるぜ」
 そういった遊びをしているというのだ。
「毎日な」
「そうして充実した日々を送っているか、特に」
 日毬はここでその目を鋭くさせて幸田にこうも言った。 
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