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夢幻水滸伝

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第八十七話 青葉城の会見その六

「陰謀とか暗殺もしてきたと思ってるだ」
「その傍にいつも土方歳三いたけれど」
「この人はもっとよね」
「新選組は警察だっただが」
 今で言うと武装した公安警察になるだろうか、会津藩の下にいて京都で志士に対する取り締まり機関だったのだ。
「何かヤクザみたいなところもあったと思うだ」
「確かに。結構荒々しかったっていうし」
「近藤勇の頃もね」
「内部抗争多いところとか」
「ヤクザ的なところもあったかもね」
「だから今一つ好きではないところがあるだ」
 宮沢にしてみればというのだ。
「とはいっても仙台藩は好きだが」
「仙台藩は幕府についてね」
 宮子が言ってきた。
「負けたのよね」
「そっちは朝廷についただな」
「ええ、秋田藩はね」
 佐竹家はだ。
「そうしたけれど」
「同じ東北でも違うだな」
「というか東北で朝廷についたの秋田だけだから」
「そういえばそだったな」
「元々佐竹家は幕府をよく思ってなかったから」 
 関ケ原にはじまると言われている、この戦で佐竹家は西軍について徳川家に大幅に減封されたうえに代々の地から秋田に活かされたのだ。
「だからね」
「朝廷についただな」
「そうみたいよ」
「ううむ、歴史を感じるだ」
「そうよね」
「こっちは五稜郭だけれどね」
 千歳も幕末の話に入ってきた。
「その土方歳三が死んだ」
「あそこだな」
「そう、最期は立派だったみたいよ」
 様々な粛清や暗殺に関わってきた人物と言われているがだ。
「武士だったみたいよ」
「その話は聞いてるだが」
「函館に行けば色々わかるから」
「五稜郭自体も見られるだな」
「そうよ。ちなみにこっちの世界でもあるわよ」
 その五稜郭はというのだ。
「蝦夷の入り口を守る場所としてね」
「使ってるだか」
「ええ、函館の港もね」
 そこもというのだ。
「こっちは漁港、貿易港よ」
「賑わってるみたいだな」
「かなりね、それで私達が三人一緒になったら」
 千歳はあらためてこの話をした。
「函館の貿易と漁業でもね」
「お金が入るだな」
「食べものもね」
「それは大きいだな」
「蝦夷と東北でも大きいわよ」
 この二つの地域を合わせればというのだ。
「この世界でもね」
「そだな、ほなとりあえずはだ」
「三人仲良くなのね」
「やってくだ、三人でいつも話してだ」
 そのうえでとだ、宮沢も考えを決めて千歳に話した。
「一緒にやってくだ」
「それじゃあね」
「それでいきましょう」
 千歳だけでなく宮子も頷いて応えた、こうして東北と蝦夷は三人の人の星達によって治められることになった。
 三人は青葉城を拠点として政をはじめた、するとだった。
 色々とやることが多かった、それで宮沢は青葉城の本丸で千歳と宮子にこんなことを言った。
「おら政が全然出来てなかっただ」
「というかね」
「何か色々気付いてないところ多いわね」
 二人もこう宮沢に言った。 
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