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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十九話 午後の競技その二

「特進科だね」
「そうだよね」
「それでスポーツは体育科」
「運動会でも強くて当然だよ」
「向こうも意地があるし」
「負けないよな」
「うん、だからね」
 その為だ。
「言っても仕方ないね」
「妬んでも仕方ないしな」
「妬んで何になるか」
「そうなるかっていうとな」
「そこから努力するならともかく」
「そうしないとな」
 嫉妬、妬ましいと思ってそこから嫉妬の対象を乗り越えようと思って努力するならいい。けれどだ。
 そこでだ、マイナスに至ると駄目だ。
「それじゃあ何にもならないしな」
「じゃあな」
「もう運動会の優勝は例年通りS組」
「そういうことで俺達は俺達でベストを尽くす」
「そうあるべきだな」
「勉強も入りたい大学のその学部に入られればいいし」
 割り切って考えるとだ。
「体育も目的があるなら別だけれど」
「成績次第で進学決まるとかな」
「就職が決まるとかな」 
 プロの選手になるとかだ、あとオリンピックとかもある。
「そうでもないとな」
「後はベスト果たせばいいよな」
「それでな」
「何でも一番になるべきか」
「そうでもないんだよな」
「何でも一番でなければっていう人もいるけれど」 
 それこそだ。
「けれどそれって世の中を考えたら」
「全ジャンルでトップとかな」
「まず出来ないよな」
「どの分野をそこそこ出来ても」
「それでもな」
「音楽でモーツァルトに勝てるか」
 作曲でだ。
「歌だと美空ひばりさんかな」
「ああ、美空ひばりな」
「あの人今聴いても凄いよな」
「格が違うよな」
「もう何ていうかな」
 それこそだとだ、皆も言う。
「カリスマ性があるからな」
「カリスマ性なんてな」
「それこそどうしようもないよな」
「歌唱力だけじゃないからな」
「何でも一番になっても全部でカリスマ性を備えるって」
 それこそだ。
「人間の出来ることじゃないよ」
「神様でも無理じゃね?」
「幾ら何でもな」
「神話でもそんな神様いないよな」
「どの神話でもな」
「ゼウスも海や冥界は治められないから」
 海界はポセイドン、冥界はハーデスだ。ギリシア神話では三つの世界をそれぞれ三大神が治めているのだ。
「北欧神話だってそうだし」
「オーディンって言っても不得意あるよな」
「その司る分野あるしな」
「専門外は出来ないよな」
「どう見ても何でも一番じゃないよな」
「そんなの本当に神様でもだし」
 そのことから考えるとだ。
「人間が何でも一番とか」
「無理だよな」
「モーツァルトでもな」
「美空ひばりでも」
「作曲や音楽以外だとな」
「どうなんだろうな」
「そう思うとね」
 モーツァルトは正直音楽活動以外は生活力というか金銭感覚が滅茶苦茶でよくも悪くも無邪気な子供のままだったらしい。 
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