八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百十六話 運動会のはじまりその九
「いいしね」
「そうだよな」
「じゃあ頑張っていこうな」
「ああ、今もな」
「身体動かしていこうぜ」
「しっかりとな」
「そうしようね、しかし日菜子さんでも」
見れば二番だった、そして一番は。
「S組の人には勝てないね」
「そうだよな」
「男女共にやっぱりS組強いな」
「どうにもならないな」
「あの組は」
「三年生でもそうだな」
三年生の方でもどう見ても優勝はS組だった、このことも観ながらだった。僕達は運動会の中にいた。
そこで応援になるが。
応援団が出て来た、それで長ランで学園全体の応援をしたが。
その長ラン、もう超長ランと言っていい黒い七つボタンの詰襟を見てクラスで外国組の子達が言った。
「何ていうかね」
「何度見ても凄い服だね」
「日本って変わった服も多いけれど」
「学生服がああなるなんて」
「面白いね」
「あれはね」
僕は外国組の子達にその長ランもっと言えば超長ランのことを話した。
「お辞儀する時にお尻が見えない様にね」
「制服の丈長くしたのか」
「そうだったのか」
「そんな理由だったの」
「そう言われてるよ、それで応援団に定着して」
それでだ。
「そこから色々な学生服出来たんだよね」
「ああ、中ランとか短ランとか」
「セミ中、セミ短とかもあるね」
「セミ長もあって」
「超長ランとか極短ランも」
「全部うちの学園の制服にあるけれど」
八条学園の制服の種類はかなり多い、詰襟もブレザーもそれこそ何十種類ずつある。ズボンもかなりある。全部合わせて上は二百はあるかも知れない。ズボンも普通に百はある筈だ。
「どれも元々は不良の制服だったんだ」
「日本の不良の」
「その服だったんだ」
「うん、詰襟の制服でね」
今は多くの学校がブレザーになっているけれどだ。
「それがね」
「日本の不良の服か」
「昔の日本の不良の」
「そうだったんだ」
「最初は長いのだけだったけれど」
応援団をそのまま真似てだ。
「徐々に色々な種類の制服が出来たんだ」
「短ランなり何なり」
「色々出て来たんだね」
「そうなんだ、応援団に話を戻すと」
こちらはというと。
「お辞儀をした時にね」
「お尻が見えない様になんだ」
「それで制服の丈が長くなって」
「ああなったんだ」
「そうらしいんだ、ちなみにズボンもね」
制服のそれもだ。
「タックがあって太腿のところが広いけれど」
「ああ、ボンタン」
「それだよね」
「これも日本の不良の制服だね」
「うん、不良の証だったんだ」
そのボンタンがだ。
「これを穿いてたらね」
「不良だった」
「そう認識されていたんだ」
「そうだったんだ」
昔の日本の不良の伝統だった。
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