八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百十四話 運動会が近付きその十一
「あの人も」
「走れメロスの」
「はい、あの人もあそこの生まれで」
「確かあそこの大地主」
「今も政治家しています」
「本名は津島修治だったわね」
「そうです」
エリザさんにこのことについても答えた。
「ですから政治家の津島さんは」
「あの人の親戚なのね」
「ご本人も言ってます」
それもホームページでだ。
「そのことは」
「そうなの」
「子孫ではないですが」
政治家の津島さんは太宰治のお兄さん、長男さんの家系だった筈だ。太宰治は六男であったことははっきりしている。
「親戚の人がです」
「まだおられて」
「政治家やっています」
「そうなのね」
「津軽の大地主だったんですよ」
それで大金持ちだったのだ。
「あの人の家は」
「それで津軽でもなのね」
「地元の偉人ですよ」
「そうなのね」
「それであの人もです」
津軽で生まれ育ってだ。
「津軽弁でした」
「そうだったのね」
「太宰は美形でしたね」
ジョーンさんはこのことを言ってきた。
「そうでしたね」
「うん、あの人はね」
僕はそのことにも答えた。
「写真残っているけれどね」
「顔立ちが整っていましたね」
「美男子だったんだ」
「そうですね」
「芥川龍之介もそうだったけれどね」
太宰が終始敬愛していたこの作家もだ、この二人は自殺しているし美形だったし尚且つ作風とかから似ている気がする。
「美形だったんだ」
「写真を見ても」
「結構以上はね」
「では女性にも」
「もてたよ」
このことは事実と言っていいだろう。
「愛人さんもいたし」
「そうですね」
「人間性も悪くなかったっていうし」
作風と違って冗談好きで明るかったらしい。
「だからね」
「もてましたのね」
「作家も人間性に問題ある人いるけれどね」
芸術家の多くがそうである様にだ。
「夏目漱石はヒス持ちだったし」
「そうでしたの」
「息子さんステッキで殴り回したり奥さん殴ったり」
「そうしたことをしていましたの」
「今そんなことしたら」
それこそだ。
「DVで社会問題だけれどね」
「離婚ですわね」
「当時も奥さん言われたそうだから」
漱石の暴力が知られてだ。
「知り合いの人にね」
「そうでしたの」
「けれど相思相愛だったから何もなかったけれどね」
別れずに漱石が死ぬまで添い遂げた、どうも夏目漱石という人は若い頃喧嘩で坊ちゃんそのままで橋のところから川に飛び込んだりロンドンで欝になったり被害妄想持ちだったり精神的に不安定だったみたいだ。
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