夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十四話 江戸城入りその四
「我々はこの世界では相当に強いからな」
「だからおいら達の取り決めにはか」
「こちらの世界の者達は基本逆らわない、そもそもだ」
「この世界を救う存在だからか」
「それでどうして拒む」
こう幸田に問うのだった。
「言うならば七人の用心棒の様なものだが」
「映画のかよ」
「そうだ、用心棒達は頼まれて来ていて我々は眠った時に来ているが」
そうした違いがあってもというのだ。
「言うなら我々はそれだ」
「世界を救ってくれる用心棒か」
「少なくともこの世界を救うまではだ」
「取り決めに反対しないんだな」
「そうだ、ただこちらが間違うとだ」
「やっぱり言ってくるよな」
「実際に私もどうかと言われたことがある」
こちらの世界の者にというのだ。
「そうなるからな」
「そうなんだな」
「そうだ、それで話を戻すが」
「ああ、おいらが新しい棟梁になってもか」
「そもそも貴殿の方が私より格上だしな」
星の者としてのそれはというのだ。
「同じ天の星でもな」
「それもあってか」
「断らない、まあ星の格式はあまり考慮されない場合もあるが」
「何か神星の三極は実際は殆ど違わないんだよな」
「うむ、三人共力があまりにも強いせいでな」
このことがあってというのだ。
「格がない」
「そうらしいな」
「あの星達はそうだ、そしてだ」
さらに話す日毬だった。
「棟梁である私が直々に言ったことだしな」
「そのこともあってか」
「反対されなかった、そしてだ」
「ああ、おいらはな」
「これから武蔵の棟梁となったのだからな」
「この国を治めていくってことだな」
「そうしてもらう、そしてだ」
日毬はさらに言った。
「相模、伊豆を攻めているが」
「それだよな」
「まずは三国を手中に収めるべきだと思うが」
「おいらもそう思うぜ、ただな」
「ただというと」
「ちょっと政のことで言わせてもらっていいか?」
幸田は日毬に真剣な顔で前置きをした。
「そうしていいか」
「私の政のことでだな」
「正直今一つな」
「至らないか」
「うむ、言ってくれ」
日毬も是非にと返した、そしてだった。
幸田は実際に江戸の街のことを話した、全て話してからこそのうえでだった。幸田は日毬に言った。
「そういうことでな」
「より、だな」
「おう、いい政治をしたいからな」
それでというのだ。
「どんどんやっていくぜ」
「頼む、どうも私の政はな」
「何か色々粗削りだからな」
「それだな、そこが私の限界か」
政で粗削りなところがあるというのだ。
「自覚はしていたが」
「それな、じゃあ政をな」
「どんどんやっていくか」
「麻友っちもいるしな」
彼女の名前も出すのだった。
「三人でやっていこうぜ」
「それではな」
「あと戦もしていくけれどな」
今度は戦の話をする幸田だった。
ページ上へ戻る