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夢幻水滸伝

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第八十四話 江戸城入りその三

 二人で二つの布団に一つずつ入って休む、幸田は布団に入ってから横で寝ている麻友に対して言った。
「なあ」
「どうしたんだい?」
「おいら達が今いる部屋何畳敷きだろうな」
「何畳じゃないだろ」
 麻友は幸田にこう答えた。
「百畳はあるよ」
「そうだよな」
「この部屋だけであたし達がさっきまでいたお屋敷位はあるよ」
「建物だけでな」
「お庭は別にしてね」
 二人がいた屋敷も結構以上に大きかったのだ。
「それ位はあるよ」
「そりゃ凄いな」
「それでね」
 麻友は幸田に自分からも言った。
「落ち着くかい?」
「いや、こんな広い部屋のど真ん中で寝るとかな」
 幸田は麻友にすぐに答えた、その百畳はある部屋の中央に敷かれた布団の中で寝ていて。
「とてもだよ」
「そうだよね、あたしもだよ」
「四方の衾だってな」
 部屋を他の場所から隔てているそれもというのだ。
「一枚一枚立派な絵が描いてるしな」
「本当にお城だね」
「それも将軍様が住むな」
「そんなところだよね」
「凄いな、しかしな」
「その凄い場所にあたし達今いるんだね」
「あっちの世界じゃ葛飾に生まれ育ってな」
 映画や漫画で東京の下町だと常に言われている場所だ。
「高校からは寮暮らしだってのにな」
「それがね」
「こんなな」
「お城に入るなんてね」
「入ろうとは思っていたけれどな」
 それでもというのだ。
「実際に住むってなるとな」
「驚くね」
「ああ、こんな場所で寝ることににしてもな」
「全くだよ、けれど明日から」
「おいらは江戸城そして武蔵の主になってな」
「政とか戦していくね」
「そうなるな、明日からも頼むぜ」
 幸田は麻友にこうも言った。
「何かと忙しくなるからな」
「そうなることは間違いないね」
「おう、それでだよ」
 その政や戦に対してというのだ。
「色々と頼むぜ」
「こっちもね」
 麻友もこう返した、そしてだった。
 幸田は翌朝日毬自身の手で江戸城そして武蔵の新たな棟梁だと城の者達に紹介された、城の者達は特に断らなかったがこのことについてだった。
 幸田は紹介が終わった後でだ、日毬に尋ねた。
「何かあっさりと受け入れてもらったな」
「貴殿が江戸城そして武蔵の新たな主になったことだな」
「そうでい、揉めると思ったが」
 それがというのだ。
「あんまりにもあっさりでな」
「それでか」
「驚いているんだけれどな」
「それは星の者の力を知っているからだ」
 日毬は幸田にこう答えた。
「だからだ」
「おいら達の力か」
「そうだ、素の腕力や体力もこの世界に元からいる者達と違う」
「こっちの世界に来た時に強くなってるんだな」
「そしてあらゆる術もすぐに頭に入り強く使える」
「そして神具もだな」
「それの力もあるからだ」
 こうした諸要素があってというのだ。 
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