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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十二話 いよいよ開始その六

「人を殺すって」
「ああ、そういう話あるね」
 僕はこのことも否定しなかった、どっちの妖怪にもそうした話が確かに存在しているからだ。
「凍死させたりつららになって貫いたりして」
「やっぱり怖い妖怪ね」
「そうした雪女とかつらら女もいるけれど」
「それでもなの?」
「それぞれだから」
 雪女、つらら女によってだ。
「そこは人間と同じだよ」
「そうなのね」
「悪い雪女やつらら女もいるよ」
 人を殺す様なだ。
「けれどそういう雪女やつらら女ばかりじゃないから」
「そうなのね」
「この学園に出て来るのはね」
「どっちもなのね」
「精々人に雪をかけたりつららで軽く叩いたりしてね」
「悪戯をするだけなの」
「だからね」
 他愛もない悪戯をするだけだからだ。
「怖くないよ」
「そうなの」
「後は急に出て来て驚かせるんだ」
「それは幽霊や妖怪の常ね」
「うん、そうしてね」
 そうした悪戯をしてだ。
「喜んでる位だよ」
「それだと怖くないわね」
「だから妖怪もね」
「それぞれってことね」
「そうだよ、むしろね」
「むしろ?」
「どっちも人気がある妖怪だよ」
 特に雪女はだ、冬といえばこの妖怪という位に有名だ。
「漫画だと雪女を恋人にしたりとか」
「そうしたお話もあるの」
「日本だとね」
 元々は小泉八雲の小説からだ、この雪女は人を殺しているけれど人とも結婚して愛し合う複雑な存在だ。
「結構あるよ」
「そうなのね」
「お笑いにも使われるし」
「そうなのね」
「そう、だからね」
「愛されている妖怪だよ」
 こうダオさんに話した。
「どちらの妖怪もね」
「つらら女もなのね」
「そうなんだ、少なくともこの学園では怖くないから」
 このことは強く話した。
「つらら女だってね」
「そうしたお話あるの」
「どうしてもって薦められてお風呂に入って溶けるとか」
「それはお茶目なお話ね」
「まあそれで死んでなかったらいいけれどね」
 またつららに戻ったら元に戻るといいけれどだ。夏はいなくなって冬は出て来るから多分そうなのだろう。
「そうだとしたら面白いよね」
「確かにね」
 ダオさんもそれならと頷いてくれた。
「ダオもそう思うわ」
「じゃあ今年の冬でもね」
「校舎の中で夜いたら」
「お昼でもね」
 雪が降ったりつららが下がっている時に出るという、つまり寒い時だ。
「出るそうだよ」
「そうなのね」
「だからね」
「雪が降ったりつららがあったら」
「出るかも知れないよ」
「そうなのね、じゃあね」
 ダオさんも頷いて応えた。
「待ってるわね」
「冬になったら」
「楽しみにしているわね」
「そうしておいてね、それとね」
 僕はダオさんにさらに話した。 
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