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夢幻水滸伝

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第八十三話 江戸っ子その十

「江戸っ子らしいけれどね」
「すっきりしてるか」
「それがいい、おいらもそうありたいって思ってるしな」
「そうした性格でいたいんだね」
「腐った奴にはなりたくねえからな」
「竹を割ったみたいにだね」
「すっきりしていたいんだよ」
 その性格がというのだ。
「だからな」
「あたしに言われて嬉しいんだね」
「それでこのままの性格にいる様にするな」
「そうするといいよ、吉君はやっぱりね」
「すっきりさっぱりだな」
「そうあるべきだよ、それじゃあ鰻食べたらね」
「また色々聞いて調べていこうな」
 江戸のこと、そして城の主のことをとだ。こう話してだった。
 二人で江戸のことをさらに調べていった、ただその中でこの世界のこともより聞く様になっていた。そうして知識を深めてだ。
 江戸城の主が高ということもわかった、幸田はその主のことを屋敷で麻友に話した。風呂上りですっきりとなっている中で。
「松尾日毬ちゃんか」
「確か東京から来られたんだったね」
「ああ、剣道と居合やっててな」
「剣道三段って聞いたけど」
「それに昔からの旗本の家でな」
「何ていうかあれだね」
 その日毬の話を聞いてだ、麻友はこう言った。
「まさに江戸城に入る為に来た人だね」
「そうだな、将軍様じゃないけれど旗本だからな」
「江戸城に縁があるからね」
「そうなるな、それで神具は全部刀か」
「天の星の人は神具三つ持ってて使えるけれど」
「全部刀ってのも凄いよな」
「そうだよね、戦の場でもな」
 そこでもというのだ。
「自分から先陣きって戦うんだよね」
「そうした奴なんだな、まあ三年の間でも率先垂範、生真面目な娘で知られてるよ」
「性格がそのまま出てるんだね」
「種族は赤目か」
 この世界でのそれの話も為された。
「あの目が赤くて光線を出せる種族か」
「江戸にも結構いるね」
「普段はサングラスかけてるな、赤目で剣士か」
「それで神具は全部刀」
「戦に強い筈だよ、赤目は体格はエルフと同じだけれどな」 
 そうした意味では戦闘力はオグルやサイクロプスといった大柄で怪力であることで知られている種族に劣るがというのだ。
「剣士で神具が刀ばかりってな」
「強いね」
「それも相当にな、術も使うだろうしな」
「戦闘特化だね」
「それも個人のな」
「個人ってことは」
 麻友はここで気付いた、その気付いたことはすぐに言葉に出した。
「戦の場でもご自身が先陣切られるっていうから」
「軍勢の采配とかはか」
「剣術程じゃないだろうね」
「それで政もな」
「そうだよね」
「そうなるな、まあ政も悪くないけれどな」
 悪政かというとそこまでは至らないというのだ。
「けれどな」
「それでもだよね」
「粗削りな感じがするからな」
「それで江戸の街にも結構ヤクザ屋さんが多いね」
「剣士の限界か、ならな」
「なら?」
「今相模と伊豆を攻めてるんだよな、日毬ちゃん」
 幸田は麻友にこのことを聞いた。 
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