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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九話 運動会前その十一

「私もお蕎麦でも」
「いいね、お蕎麦も」
「はい、実は今日はお腹が空いていて」
「演劇部も朝練あるからね」
「演劇は体力も必要ですから」
「朝から思いきり走るしね」
「五キロ普通に走ります」
 高校生では結構な量だ。
「ですから」
「身体も動かしてるから」
「いつもお弁当を食べても」
「足りないよね、僕達成長期だし」
「かなり食べてますが」
 ここでだ、千歳さんは微妙な顔になってこうも言った。
「それでも」
「ひょっとして」
「はい、背は」
 このことも言うのだった。
「このことは」
「気にしてるんだ」
「昔から」
「背はね」
 僕はその千歳ちゃんに対して自分の考えを述べた。
「特にね」
「気にすることはないですか」
「そう思うよ」
 こう話した。
「だって人それぞれで」
「特に、ですか」
「意識しても」
 それこそだ。
「仕方ないものだから」
「そう思われるんですね、義和さんは」
「実際にね」
「それは義和さん背が高いからですよ」
「えっ、高いかな」
 そう言われると少し意外だった、低いと言われたことはないけれど自分では特に高いと思ったことはないからだ。
「そうかな」
「一七五ありますよね」
「だからなんだ」
「それ位あったら」
「高いかな」
「日本人ですと」
 それこそというのだ。
「低くないと思います」
「そうなんだ」
「国によって平均身長違いますけれど」
「日本だと一七五あったらだね」
「男の人だと高い方だと思いますよ」
「そうなるんだね」
「それで女の子は」
 千歳さんは自分の性別の話もした。
「一六五あったら」
「高いんだ」
「それで一五五以下は」
 それ位になると、というと。
「低いと思います」
「大体一五五が目安なんだ」
「それで私一五〇ですから」
 それでとだ、千歳さんは僕に眉を少し曇らせて話した。
「小さいと思います」
「そうだったんだね」
「ですからせめてあと五センチは」
「欲しいんだね」
「高校入った時は一四九だったんです」
 ギリギリ一五〇に届いていなかったというのだ。
「それが一五〇になったんですから」
「あと五センチだね」
「欲しいです、ただ」
「ただっていうと」
「女の子ってそろそろ成長が止まるんで」
 成長期は女の子の方が早く来て早く終わる、そして成長期のスパンもどうやら男の子の方が長いみたいだ。 
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