八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九話 運動会前その十二
「駄目かなって思いますけれど」
「それでも食べることで努力して」
「牛乳も飲んでますし」
背を高くしてくれるというそれをというのだ。
「是非です」
「一五五までにはだね」
「なりたいですね、大魔神さんみたいに」
「ああ、昔横浜にいたストッパーの」
「あの人みたいになれたら」
「性別違うしあの人は」
それこそとだ、僕は千歳さんに話した。話している間も食堂に向かって二人で並んで歩いている。横に並ぶと確かに身長差がある。
「また特別大きいから」
「一九〇ありますよね」
「あるよ」
公式身長ではそれ位だ。
「また別格だよ」
「そうですか」
「あとね」
僕は千歳さんにさらに話した。
「うちの学園大きい人も多いよね」
「海外からの人達で」
「アメリカのアフリカ系の人とか」
「大きい人多いですね」
「アフリカから来たアフリカ系の人はそんなに大きくないけれど」
僕より小柄な子も多い。
「それでもね」
「アメリカの人達は大きいですね」
「バスケやアメフトやる様なね」
「ボクシングだとヘビー級ですね」
「それでオランダとか北欧の人達も」
「スウェーデンやノルウェーですね」
「大きいよね、あとドイツからの人も」
この国の人達もだ。
「やっぱり大きいね」
「ドイツっていうとヒトラーですが」
千歳さんの方からよかれ悪かれ有名なこの人の名前を出してきた。
「一七〇あったんですよね」
「一七二か一説には一七五あったよ」
「低くなかったんですね」
「当時のドイツでもね」
映像や写真を見ればすぐにわかる、誰がどう見てもブーツの踵の分を入れてもヒトラーは小柄じゃない。
「普通位だったよ、どう低く見ても」
「それで周りもですよね」
「ゲーリングで一七八でね」
ヒトラーの側近でナチスのナンバーツーだったこの人はこれ位だった。
「やっぱりね」
「大きかったんですね」
「当時のドイツ人で普通だったよ」
「一七〇超えてて普通だったんですね」
「そうだよ、レッドバロンは一八〇あったし」
第一次世界大戦の撃墜王として有名なこの人はそれ位だった。
「小柄な方だったっていうね」
「一八〇で、ですか」
「ドイツの軍人さん達の間ではね」
「皆さん大きかったんですね」
「軍人さんはね」
特に貴族出身だとだ、代々鍛えられているししっかりとした栄養も摂れるから自然と体格もよくなるみたいだ。
「体格も求められるし」
「だから一八〇でもですか」
「小柄だったみたいだよ」
「凄い世界ですね」
「ドイツ人自体が大きいしね」
「そうですよね、学園の人達でも」
イタリアやフランスから来た子よりも大きいことが多い。
「女の子でも」
「頭一つ分位あったりするね」
「それ私です」
千歳さんは今の僕の言葉にむっとした顔で応えた。
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