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夢幻水滸伝

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第八十三話 江戸っ子その二

「まずは統一することでい」
「この世界の危機って何だろうね」
「さてな、しかし統一して戦なくしてしっかりした政で国と民を豊かにするとな」
「それはだね」
「世界を救ってことじゃねえかい?」
「そうした考えも出来るね」
 麻友も否定せずに答えた。
「じゃあまずはね」
「この江戸を一つにするか」
「そうしようね」
 是非にと言ってだ、そしてだった。
 幸田と麻友はとりあえずこれからどうするかということを話した、蕎麦を食いながらで二人でせいろを食いながら話した。
「銭あるな」
「あるよ、ちゃんとね」
「そうだな、おいらもな」
 それぞれ多くの紙幣を出した。
「こっちの世界の金だな」
「最初から結構あるね」
「ああ、じゃあな」
 それならと言うのだった。
「まずは家を買うか」
「家がないとどうしようもないね」
「そうだ、宿なしじゃあどうもしっくりいかねえ」
「それじゃあどうするんだい?」
「家を買うか」
「そうしようね」
「よし、それじゃあな」 
 幸田はせいろを噛まずに喉ごしを味わって食べつつ言った、見れば麻友もそうして一気に食べている。
「あれだ」
「あれっていうと?」
「空いている武家屋敷を買ってな」
 そうしてというのだ。
「そこで二人で住んでな」
「そうしてだね」
「そこから江戸をどうにかしていくか」
「そうするんだね」
「そしてひいてはな」
 江戸の真ん中の方を見た、そうして麻友にあらためて言った。
「あの城に入ろうか」
「江戸城にだね」
「ああ、それで江戸城を拠点としてな」
「江戸の周りも他の国もだね」
「統一だ、そうしていこうな」
「江戸城入りだね」
「こっちの世界の江戸城には天守閣があるけれどな」
 五層七階の見事なものがあった、幸田はその天守閣についても言うのだった。
「天守閣にも登りたいしな」
「あっ、二人で最上階まで登ろうね」
「おう、じゃあまずはそれを目指してな」
「江戸を統一だね」
「そうしような」
「そうだね、じゃあね」
「家を買うか」
「空いているところを見付けてね」
「そうするか、まあ空いている家ならな」
 それならとだ、幸田は店の者におかわりを言ってから麻友に話した。
「何処でもいいな」
「そうなんだね」
「ああ、それでな」
 さらに言うのだった。
「そこからはじめような」
「そうしようね、しかしね」
「しかし?」
「二人だし小さな長屋でもいいし」
 それにと言うのだった。
「夫婦みたいでいいね」
「よしな、それを言ったらな」
 幸田は麻友の笑っての言葉に気さくな笑顔で応えた。
「まだまだ早いってなるぜ」
「幾ら幼馴染みでもだね」
「そうだ、おいら達はまだ高校生だぜ」
 それ故にというのだ。 
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