夢幻水滸伝
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第八十二話 佐渡の金その三
「そうする奴も送るだがや」
「では決まりだな」
「罪人に危ない仕事をやらせるだがや」
そうして掘り出す金の量を減らすことを決定した、そして実際に佐渡金山の金の掘り出す量を増やさせてだった。
その金で甲斐も信濃も内政を充実させた、そうしつつだった。
坂口は次の政に移った、その政はというと。
「銭があるなら必要なところに使うだかだがや」
「甲信の内政を進めつつですね」
雅はここでも坂口に応えた、二人は今も名護屋城にいる。
「軍勢もですね」
「そうだがや、いい具足に鉄砲に空船をだがや」
「買って造っていきますね」
「そうするだがや」
こう言うのだった。
「そしてだがや」
「大砲もですね」
「買いたいじゃ、近畿はもっと凄いだぎゃな」
「国力の充実がかなりだとか」
「元々豊かなうえに内政も整えてだぎゃな」
「かなりのものになっています」
雅は坂口に近畿のことも話した。
「軍勢の装備も」
「そうだぎゃな」
「おまけに神星が二人もいるのですから」
「戦闘力も高いだぎゃな」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「我々の軍勢もです」
「装備を整えてだぎゃな」
「強くなりましょう」
「そうだぎゃな」
「では金山や銀山の富を」
「そっちにも使うだがや」
こう言ってだ、坂口は今度は軍勢の装備も整えていった。無論術を使える者も増やし軍勢も充実させた。
そうしてだった、坂口は甲斐の堤が築かれるのを見つつ共にいる滝沢に言った。
「甲府は堤を築かせてだがや」
「甲府城もですね」
「もっと堅固にするだがや」
「そして兵も兵糧もですね」
「多く入れられる様にするだがや」
城を拡張させてというのだ。
「東国に備えてそうするだがや」
「そうすべきですね、国境も」
「城を置いているだがや」
「よりよくしますね」
「そうするだがや、今は東国を攻めないだがや」
そうするというのだ。
「近畿だがや」
「そうですね、ですが」
「東国はこっちを狙っているだがや」
「そこが問題です」
まさにとだ、滝沢も話した。
「何といっても」
「それだがや」
「ですから守りをですね」
「何重にも固めておくだがや」
自分達に攻めて来る東国に対してというのだ。
「東国が接しているのはうちだけだがや」
「つまりこちらに全力で来ます」
「ですから」
このことが間違いないからというのだ。
「ここはです」
「守りを固めておくべきだがや」
「そちらにもお金を使っていきますね」
「そうだがや、だから金山と銀山はどんどん掘らせるだがや」
罪人も送っているそこにというのだ。
「それで戦のことにも使うだがや」
「そうしてですね」
「東国を退けて」
「そのうえで」
「近畿だがや」
こちらを攻めるというのだ。
「まずは近江、伊勢だがや」
「この二国ですね」
「そしてだがや」
「やがて上洛して」
「都も手に入れて近畿全体をだがや」
日本で最も豊かで人口も多い地域をというのだ。
「手に入れてそこからだがや」
「日本統一ですね」
「まずはそこからだがや」
坂口はこう言って実際に近畿攻めの用意にもかかった、東国には守りを固めてそうして近畿にはそうすることにした。
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