八条学園騒動記
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第五百一話 青春のコスプレその四
「実際」
「あるんだね」
「あるんだよ」
「実はっていう作品が」
「色々とな」
「一見明るいけれど」
「そこにな」
その明るさの裏にというのだ。
「実はな」
「暗いテーマが隠されているんだ」
「まあ明るい学園ものだって思ったら」
それがとうのだ。
「実はゾンビに囲まれていたとかな」
「ああ、そういうのはね」
「あるよな」
「そんな作品あるね」
実際にとだ、ジョルジュも答えた。ここでウィッグも被って遂に完全な魔法少女男の娘に変身した。
「それでゾンビとどう戦うか」
「ほのぼの日常と思ったら」
その実はというのだ。
「ホラーとかね」
「あるな、温羅設定で何かあったりとかな」
「その温羅設定が怖いとか」
「ピーターパンは書いてるけれどな」
その間引きの話をだ。
「その作品の舞台は実は、とかな」
「怖いことがあった場所とか」
「何かのアニメであったんだよ」
少年はジョルジュに話した。
「可愛い妖精達の話だけれどな」
「ピーターパンみたいに」
「けれどな」
その実はというのだ。
「妖精の正体が洗礼受けないで死んだ子供達の魂だとかな」
「キリスト教の」
「そういうのあってな」
「その裏設定わかって」
「明るさの裏を見た気持ちになったぜ」
まさにというのだ。
「そしてその森もな」
「怖いことがあった場所?」
「だから生まれてすぐに死んだ子供だぞ」
洗礼を受けないでだ、十九世紀まではそうした生まれてすぐに命を落とす子供も少なくなかったのである。
「それならな」
「あっ、そうか」
「わかるだろ」
「森は普通の世界じゃないね」
「子宮らしいんだよ」
母親のその中だというのだ。
「どうやらな」
「凄い怖い設定だね」
「だからな」
それでというのだ。
「そういうのを知るとな」
「妖精の子供達がのどかな森の中で楽しく遊んでいても」
「怖くなるぜ」
その作品を観ることがというのだ。
「あと実はその場所が地獄だったとかな」
「あったりするんだ」
「ああ、アニメもそういう作品あったりするからな」
「童話と一緒で侮れないんだね」
「作る方も考えてる人は考えてるんだよ」
そうして制作しているというのだ。
「考えてない奴もいるけれどな」
「考える人は考えていてな」
「裏設定とかやってくるんだね」
「童話みたいにな、何気なく怖い場面や描写入れたり」
裏設定を入れてというのだ。
「怖いんだよ」
「そうだね、あとね」
「あと?」
「もう着替え終わったな」
少年はジョルジュの姿を見つつ言った。
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