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八条学園騒動記

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第五百一話 青春のコスプレその三

「あれは」
「そうだな」
「背が高くてね」
「そして空を飛んでフック船長とも一騎打ちだ」
「見栄えするね」
「演劇部の劇でも定番の演目だ」 
 ピーターパンはというのだ。
「見ていて損にはならない」
「僕も見たよ」
「面白いな」
「かなりね、フック船長最後鰐から逃げて何処かに行って海賊達も追いかけてるけれど」
「原作ではフック船長死んでいるがな」
「あっ、そうなんだ」
「その鰐に食べられてな」
 通称時計鰐という、以前時計を飲み込んでその音が身体の中から聞こえるからこの通称になったのだ。
「一口で」
「一口なんだ」
「ピーターパンに負けて海に落ちてな」
「一口でぺろりと食べられて」
「死んでいるぞ」
「そうだったんだ」
「海賊も殆ど生き残らない」
 手下である彼等もというのだ。
「そうした結末だぞ」
「そうだったんだ」
「原作ではな」
「イギリスの作家さんの」
「そうだ、本当にフック船長は死んでいる」
「それ意外だよ」
「他にも童話らしく不気味な一文もあるしな」
 魔法少女になっていくジョルジュに話した、もう既に服は着て手袋やハイソックスを身に着けている段階だ。
「間引いているとかな」
「間引きって」
「ネバーランドに来た子供達が大人になる」
「ずっと子供じゃないんだね」
「その子達をピーターパンがな」
「間引いてるんだ」
「そんな一文もある」
 これは原作に実際にある一文だ。
「だからな」
「怖いんだね」
「童話らしくな」
「うん、童話はね」
 ジョルジュもわかることだった。
「確かにね」
「怖いものがあるよな」
「あるね、何かと」
「シンデレラもな」
「あれ原典で継母と義姉さん達がね」
「最後烏に目をくり抜かれるからな」
 シンデレラをいじめた報いとしてだ。
「あれ怖いよな」
「相当にね」
「三匹の子豚も怖いからな」
「原典じゃお兄さん豚二匹狼に食べられて」
 それがすぐに狼から逃げて末っ子のところに匿われる様になったのだ。
「狼もな」
「食べられるんだよね」
「そこが違うからな」
「シンデレラの継母達も許されなかったし」
「中々怖いな」
「童話もね」
「それでピーターパンもな」
 明るい妖精の話かというとだ。
「実はな」
「違っていて」
「それでなんだよ」
「間引くとかあるんだ」
「そうらしいな、アニメだってそういう作品多いしな」
 ここで自分の部活の話をするのだった。 
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