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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五話 紅茶とコーヒーその三

「お料理は出ないから」
「お菓子も買ってきたものよね」
「メイド喫茶みたいには出来ないから」
 このことは無理だというのだ。
「悪いけれどね」
「というかそれは仕方ないでしょ」
 モンセラさんもわかっているという返事だった。
「やっぱり」
「お店じゃないから」
「仕方ないわよ、部活なんだし」
「茶道部とそこは一緒ね」
「茶道部もそんな感じじゃない」 
 お抹茶を一杯百円そして一杯目まではおかわり無料でちょっとした和菓子も出してくれる。この辺りメイド部と同じだ。
「だからね」
「このことはいいのね」
「別にね」
 モンセラさんにしてもというのだ。
「特にね、ただね」
「ただ?」
「いや、メイドっていうと」
 モンセラさんは首を傾げさせてこうも言った。
「何かいやらしいイメージがね」
「それうちのメイド部ではないでしょ」
「服の露出ないわね」
「本格的にしているから」
「イギリス風によね」
「日本人はそこに萌を入れるから」
 このことを言うテレサさんだった。
「これ何でもだけれど」
「だから変になるのね」
「実際のメイドさんはね」
「そういうのがないのね」
「そう、別にね」
 これといってというのだ。
「なくて」
「いやらしい要素もなの」
「服の露出ゼロでね」
 そしてというのだ。
「穏やかで礼儀正しい」
「そんな風なのね」
「というかメイド喫茶はね」
 日本のそれはというと。
「あれはもう何か別のものよ」
「本来のメイドさんと比べて」
「そう、またね」
「別のものなのね」
「本来のメイドは言うならば労働者よ」
 そうした人達になるというのだ。
「それもお掃除とかお洗濯の肉体労働の」
「ハードなのね」
「ハードもハード」
 それこそというのだ。
「汗水流して働く」
「そんな人達なのね」
「それが現実よ」
 メイドさんのそれだというのだ。
「若し夢を見たいのなら」
「メイド喫茶行けっていうのね」
「ちなみにこの学園メイドの幽霊も出るそうだから」
「幽霊ね」
「イギリス的でしょ」
「あの国幽霊のお話多いからね」
 何でも幽霊のお話が世界一多いらしい、シェークスピアの作品でもとにかくやたら出て来たりする。
「ロンドン塔とかね」
「あそこね」
「王様や王妃様の幽霊出るっていうし」
「あれよね、アン=ブーリンさん」
 モンセラさんはこの人の名前を出した。
「元侍女で王妃になって」
「不倫の末にね」
「それでまた不倫でお払い箱になって」
「王様に浮気したとか言われてね」
 その王様が不倫していたのにだ。
「処刑されるのよね」
「酷い話ね」
「王様最低よね」
「人間としてね」
 ヘンリー八世、国教会を開いた王様でもあるがそもそもこの国教会にしてもこのアン=ブーリンとの結婚の為にその時の王妃との離婚をバチカンが認めなかったからだ。バチカンの影響を抜けたい政治的思惑もあったにしても理由があんまりだ。 
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