八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四話 タキタロウの味その二
「日本の」
「それだね」
「これだとどうかしら」
「タキタロウがいるのは山形県だし」
東北のこの県だ、サクランボでも有名だ。
「寒いからね」
「寒いとお鍋よね」
「これもいいしね」
実際にだ。
「だから」
「タキタロウはお鍋で食べるの」
「食べたお話は実際にあるけれど」
記録に残っている、だからこのことも間違いない。
「やっぱりお鍋にしてね」
「食べたのかしら」
「その可能性高いね」
「魚のお鍋ね」
「日本には多いよね」
「ええ」
イタワッチさんは岩窪に答えた。
「鱈とか鮭とかで」
「石狩鍋もあるし」
「色々あるわね」
「それでタキタロウもね」
「お鍋にして食べたのね」
「そうかもね。けれど今はね」
現代はというと。
「若し捕まえてもね」
「食べられないのね」
「確実に天然記念物になるから」
それでというのだ。
「食べられないよ」
「数が少ないから」
「実際にあの湖にしかいないみたいだし」
岩手県のだ。
「いることは本当に間違いないんだ」
「魚群探知機で見付かってね」
僕が岩窪君に言ってきた。
「反応があって」
「目撃例もあってだから」
「罠を破ったりね」
「証拠は揃ってるからね」
「いることは間違いないんだ」
「後はちゃんと学問的にいるってことが確認されて」
そうしてというのだ。
「どういったお魚かも記録される」
「そうなるね」
「けれど肝心の数はね」
「少ないから」
「食べられないよ」
「そうなるね」
「美味しいとは聞いてるけれど」
例えそうでもだ。
「どうしてもね」
「食べることは無理だね」
「どうしても食べたいと思ったら」
そのタキタロウをだ。
「イワナか鱒をね」
「食べることになるね」
「そうなるね、そういえばタキタロウは岩手県にいるけれど」
「そのことがどうかしたのかな」
「いや、岩手っていうと遠野もあるね」
「ああ、あそこだね」
「河童とか妖怪で有名な」
岩窪君はこちらの話もしてきた。
「座敷童の話もあるし」
「急に柳田国男になったね」
「岩手で思い出したんだ」
「座敷童って日本の妖怪よね」
ラブポーンさんが岩窪君の今の話にこう言ってきた。
「そうよね」
「うん、子供の姿の妖怪でね」
「住んでいる家に幸せをもたらしてくれるのよね」
「そう言われているよ」
「何か妖精みたいね」
ラブポーンさんはこうも言った。
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