八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百四話 タキタロウの味その三
「それだと」
「近いね、というか妖精と妖怪ってね」
「近いの?」
「似た様なものだと思うよ」
「そうなの」
「イギリスとかにいるのが妖精で」
それでというのだ。
「日本にいるのが妖怪かな」
「それ位の違いなの」
「そうじゃないかな、だから河童もね」
「妖精になるのね」
「イギリスにいればね」
「そうなるのね」
「うん、まあ座敷童って僕達には見えないけれど」
岩窪君はこの話もした。
「子供にしか見えないから」
「そうした妖怪なのね」
「うん、ある小学校に座敷童がいたらしいけれど」
「学校にもいるの」
「うちの学園でもあったかな」
「あっ、あるよ」
実際にとだ、僕は岩窪君に答えた。
「初等部の方でね」
「そうなんだ」
「うん、それで一年生や二年生の子には見えて」
「先生には見えなかったんだね」
「高学年の子達にもね」
「そんな話もあのね」
らぶぽーんさんは岩窪君のその話も興味深そうに聞いて頷く様に首を縦に動かしていた。目をキラキラとさせて。
「日本には」
「そして岩手県にはね」
「タキタロウだけじゃないのね」
「そうなんだ」
「面白い場所ね」
「そうだね、お蕎麦も有名だし」
岩手県名物の一つだ。
「わんこそばでね」
「それでなの」
「うん、有名なんだ」
「そうなのね」
「それとね」
岩窪君はさらに話した。
「寒いから」
「それはね」
「北にあるからね、日本の」
ラブポーンさんもイタワッチさんもそれはと答えた。
「それは当然よね」
「日本の北にあったら」
「だから雪も多いんだよね」
「東北の冬は凄いよね」
僕も岩窪君にこう言った。
「北海道もそうだけれど」
「こっちじゃ想像も出来ない位降ってね」
「積もるんだよね」
「そうそう」
「その雪を見たわね」
「本当にね」
二人もこう言ってきた。
「そんなに雪が積もるなら」
「是非ね」
「じゃあ冬にそっちに行くといいよ」
岩窪君は二人にすぐに答えた。
「そうしたらね」
「観られるのね、雪が」
「積もった雪が」
「絶対にね、東北も面白いしね」
それでというのだ。
「一回行ってみたらいいよ」
「タキタロウ以外にも」
「色々とあるのね」
「そうなんだ」
「まあタキタロウは見られたら凄いけれど」
僕はタキタロウについてはこう話した。
「座敷童は絶対になんだよね」
「私達にはね」
「もう見られないのね」
「残念ながらね」
子供でなくなったからだ。
ページ上へ戻る