八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百一話 家庭その一
第二百一話 家庭
僕は部活の時先生にこんなことを言われた。
「八条、御前今日は動きがいいな」
「そうですか?」
「ああ、左右にな」
「身体のキレがいいですか」
「随分な」
「そうでしょうか」
「いつもよりいい。どうしたんだ?」
「別に何も」
今言われて気付いた位だ、自覚はなかった。
「ないですけれど」
「そうか?」
「はい、別に」
このことは本当にだ。
「ないですけれど。ただお昼に柿を食べた位で」
「柿か」
「それ位で」
「他には何もないか」
「柿って動きに関係ないですよね」
「あれか?柿を食って腹が冷えてな」
それでというのだ。
「出るものが出てな」
「その分ですか」
「身体にあるものが減ってな」
そうしてというのだ。
「動きがいいか」
「そうでしょうか」
「そうか?」
「お昼おトイレ行ってないですが」
朝には行ったけれどだ。
「ですから」
「柿は関係ないか」
「そう思います」
僕にしてはだ。
「本当に」
「そうなんだな」
「はい、本当に別に」
「動きがよくなる様なことはしていないか」
「そうですけれど」
「じゃあたまたまか」
先生は今度はこう言った。
「御前の今日の身体の動きは」
「いいことはですか」
「それか?」
こう考えて僕に言ってきた。
「調子がいいんだ」
「今日は」
「ああ、コンディションか精神的に何かあってな」
「好調なんですね」
「そうかもな、まあとにかく身体の動きがいいならな」
「それならですね」
「それだけでいいことだな」
「そうですね。そういえば」
ここで僕は気付いたことがあった、それは何かというと。
「最近よくトマトや生姜、大蒜を食べています」
「身体にいいものばかりだな」
「そのせいでしょうか」
「そうかもな、どれもな」
そのトマトとかはとだ、先生は僕に答えてくれた。
「身体にいいからな」
「こうしたものを食べているからですか」
「動きにも影響しているのかもな」
「そうですか」
「だとしたらな」
食べものの影響ならというのだ。
「調子がいいのは今日だけじゃないな」
「これからはですか」
「食ったものが出て来たんだよ」
「今になって」
「ああ、その三つは身体にいいからな」
何といってもというのだ。
「それが出るんだよ、じゃあこれからも身体にいいもの食ってな」
「そうしてですね」
「頑張れよ、間違っても偏食はするなよ」
先生は僕に笑ってこうも言ってきた。
「それはな」
「動きにも悪いですか」
「だからな」
「止めた方がいいですね」
「肉だけ、魚だけ、野菜だけ、果物だけとかな」
「菜食主義もですか」
「極端だと栄養バランスが偏るんだよ」
そうなってしまうというのだ。
「菜食主義で牛乳とかも飲まない人いるんだよ」
「そうなんですね」
「チーズとか乳製品も食わなくてな」
「菜食主義の人って牛乳飲むんじゃ」
「好みにもよるしな、それだと大豆しかないだろ」
蛋白質の供給源、身体を作るこれはだ。
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