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夢幻水滸伝

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第七十九話 駿府から名古屋へその十四

「税金の無駄で最悪狂犬病患者を世に放つ様なものです」
「実際にその患者がまた事件を起こすぎゃ」
「そうなっています」
 そして善良な命が奪われているのだ、京都である犯罪の常習者の証言通りに殺人の証拠が出たが某大学の教授や市民団体の抗議で捜査も裁判もやり直しになりこの連中の圧力のせいか無罪になったがこの輩はまた殺人事件を起こし少女を殺そうとした。尚この輩の周りでは他にも八件の殺人事件が起こっている。こうした生きていてはいけない外道も世の中にはいるのだ。
「実際に」
「こんな馬鹿な話はないだがや」
「だからこそですね」
「わしは死刑をやっていくだがや」
「この世界の日本ではどの勢力もしていますね」
「太平洋全体がそうだぎゃな」
「はい、それがかえってです」
 兇悪犯を死刑にしていってだ。
「国の治安や風紀をよくしています」
「当然のことだぎゃな」
「そうした輩を生かしていますと」
「それだけで災厄だぎゃ」
「そうです、この世界には巨人が出ますが」
 突如として出て来て人もものも破壊していく、この世界では自然災害に並ぶ災厄となっている者達だ。
「巨人と同じだけです」
「世には迷惑だがや」
「同じく人を殺すのですから」
「屑を放置するのは災害救助を行わないのと同じだがや」
 坂口はこうも言い切った。
「街に猛獣を放つと言ってもいいだぎゃ」
「全く以てそうですね」
「人を襲う猛獣や魔物は殺すしかないだがや」
「さもないと犠牲者が出ます」
「そうしたことだがや。治安は徹底的にしていくだぎゃ」
「それがいいですね」
「それがガキでもだぎゃ」
 坂口は未成年者でもと言った。
「屑は処刑だがや」
「岡崎で一家四人を強盗殺人した者が捕まっていますが」
 雅は早速こちらの世界で先日起こった事件の話をした。
「どうしますか」
「もう証拠は全部出たぎゃな」
「その血塗れの一家の中で捕まえました」
「ならだぎゃ」
 間違いない、坂口はそれならと即断して答えた。
「車裂きだぎゃ」
「両手両足を馬か牛が轢く車で引っ張り」
「引き千切らせるだぎゃ」
 その両手両足をだ。
「後はくたばるまで放置して屍はゴミ捨て場に放り棄ててぎゃ」
「魂もですね」
「消し去るぎゃ」
 そこまでしろというのだ。
「この世から完全に抹殺してやるだぎゃ」
「徹底的に苦しませたうえで」
「そうしてやるぎゃ、あと殺された一家はそいつの金で復活させて家も保障させるぎゃ」
「一文無しですが」
「では車裂きの前に強制労働だがや」 
 それで銭を稼がせろというのだ。
「そうするだがや」
「それでは」
「どうせ生きていても牢に入れるだけ銭がかかるか」
 若しくはというのだ。
「万が一出たらまた悪さをするに決まってるだぎゃ」
「その通りです、残念ですが」
「そうした屑がいるだがや」
「この世界にも」
「そんな屑は徹底的に処刑するしかないだがや」
「ではその様に」
「それではだぎゃ、そして次の話だぎゃ」
 さらに言う坂口だった。
「信濃攻めの軍議もするぎゃ」
「ではそちらも」
 雅はこちらのことにも応えてだった、そのうえで今度はそちらの話をした。坂口は東海だけでなく甲信にも兵を進めようとしていた。


第七十九話   完


                     2018・8・24 
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