| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十九話 駿府から名古屋へその十三

「本当に」
「だからですか」
「気をつけるだがや」
 雅もというのだ。
「さもないと本当にだがや」
「騙されたりして」
「痛い目を見るだがや」
「そうなりますか」
「金とか目当ての奴もいれば」
 そうした悪人の所業をだ、坂口はさらに話した。
「自分が嫌いな奴を陥れる為にする奴もいるだがや」
「そうした悪人がいるとは聞いていますが」
「実際にいるだがや」
 聞いているだけではなく、というのだ。
「どうしようもない悪人もいるだがや」
「だからですか」
「その知恵と知識そっちでも生かすだぎゃ」
 雅の見事なそうしたものをというのだ。
「さもないとおみゃあさん本当に痛い目を見るだがや」
「それでは」
「まあ見てわかるドキュンもいるだがや」
 坂口はそうした輩の話もした。
「こいつはダニだっていう奴だがや」
「いますね、そうした輩は確かに」
「無軌道に暴力を振るう屑はこっちの世界では殺すしかないだがや」
「実際にそうしていますし」
 東海でもそうしている、無法者は容赦なく魂ごと処刑している、そうして二度と世間に迷惑をかけない様にしているのだ。
「これからもですね」
「そうした奴は処刑しているだがや」
「はい、そうした法もです」
「整えていくだがや」
「そうしていきましょう」
「ヤクザだの賊だのはそうしていってぎゃ」
 彼等の中で悪質な彼等の世界で言うドキュンはというのだ。
「世の人達の迷惑を取り除いていくだがや」
「私達の世界でもそうなればいいですね」
「こいつは生きていてはいけないという奴はぎゃ」
 坂口は今度は雅の意見に同意して頷いた。
「もうどんどん死刑にすべきだがや」
「更生の可能性が見られないなら」
「街で包丁振り回して何人も殺した様な奴は」
 時折出る狂人を話の例えに出した。
「釈放したらまた同じことをするだがや」
「刑務所に入れていても税金がかかります」
「そんな奴に住むところ与えて飯も食わせるだがや」
「服も与えていますし」
「これは税金の無駄だがや」
 それに他ならないとだ、坂口は断言した。
「こんな無駄なことはないだがや」
「全くですね」
「人の人権を害する奴に人権が必要だがや」
「そう言われますと」
 雅にしてもだった。
「私も答えは一つです」
「必要ないだがや」
「全く以てそうですね」
「死刑にするしかない奴、それもだぎゃ」
「迅速にですね」
「しないと税金の無駄だがや」
 そういった連中を刑務所に入れているだけで税金がかかるからだ、衣食住を提供するこのことだけでもだ。
「最悪の無駄だがや」
「だからこの世界ではですね」
「わしは死刑を認めてだがや」
「処刑は迅速にしていますね」
「少しでも疑わしいなら慎重にしていても」
 それでもというのだ。
「あからさまな奴はだがや」
「まさに即刻ですね」
「処刑していっているだがや」
「それでいいです、死刑廃止なぞ」
 この考え自体にだ、雅は述べた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧