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夢幻水滸伝

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第七十八話 九州統一その十

「犀人は身体が大きいでごわすからな」
「十五人前は、ですね」
「普通に食べているでごわすな」
 美鈴にもこう答えた。
「こちらの世界では」
「そうですね、ですが棟梁はお一人で」
 美鈴はその北原に話した。
「しかも三食です」
「だからいいでごわすか」
「この四人は五食ですが」
「別に構わないでごわす」
 北原の返事は変わらなかった。
「何度も言うでごわすが四人の食事の分位はでごわす」
「報酬として出してもですか」
「いいでごわす」
「棟梁がそこまで言われるなら」
 美鈴にしてもだった。
「それならば」
「いいでごわすか」
「はい、しかしいいたいな」
 美鈴は北原に頷いてから四人に顔を戻して彼女達に告げた。
「真面目に働くとよ」
「報酬分は働きますで」
「そこは安心して下さい」
「九州の賊成敗していきます」
「街でも山でも海でも」
「頼むたい、倭寇も出てるとよ」
 この海賊の話もするのだった。
「連中も退治して欲しいたい」
「この連中が半島に出てでごわす」
 北原も倭寇のことを話した。
「韓国に迷惑をかけてあっちから何とかしてくれと文が来たでごわす」
「ああ、倭寇ですか」
「こっちの世界でもいますか」
「連中めっちゃ強いんでしたね」
「刀や鉄砲が強くて」
「そうたい、中国の方は向こうも強いんで攻めないたいが」
 倭寇の方もとだ、美鈴はそちらの国のことも話した。
「韓国は中国程強くないからたい」
「星の人も少ないですし」
「軍隊の規模も小さくて」
「それで、ですね」
「倭寇はあっちを集中的に攻めてますか」
「統一してしっかりとした政が出来る様になって大分減ったたいが」
 九州全体が安定したことにより海賊行為よりも真面目に働いた方が暮らせる様になったからだ、こうしたことはこの世界でも同じである。
「それでもいるたいからな」
「その連中を退治してですか」
「韓国側からの要望に応えて」
「それでそのうえで」
「海を穏やかにしていきますか」
「そっちも頼むたい、では族の征伐ば任せたとよ」 
 美鈴は四人にこう話してだ、そしてだった。
 四人は街や山や海で治安回復の為の賊征伐の仕事をはじめた、四人は確かにいい加減で怠け者揃いでしかも全員が無駄に食った。だが。
 仕事はしっかりとしてだ、賊を次々に成敗し降していき。
 九州はその有無も含めてかなり平和になった、それで北原は四人に笑顔で言った。
「お陰で、でごわす」
「はい、九州平和になりましたね」
「山賊も海賊もヤクザ屋さんもおらん様になって」
「平和になりましたね」
「そちらの意味でも」
「戦がないことが平和ではないでごわす」
 このこともわかっている北原だった。
「治安も大事でごわす」
「そうそう、ヤクザ屋さんとか山賊がいますと」
「あと海賊もですね」
「そうしたのがいると平和やないですね」
「それやと」
「そうでごわす、おいどん達も治安回復はしているでごわすが」
 それでもというのだ。 
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