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夢幻水滸伝

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第七十八話 九州統一その九

「家や事務所の家賃もありますし」
「あと寄付金とかお布施とか」
「大和におるとお寺や神社も多いですし」
「何かとお金使いますから」
「いいことにも使っているでごわすな」
 北原は四人のこのことは感心した。
「やはり根はいい娘達でごわすな」
「いい加減ですが決して悪人ではないです」
 美鈴もこのことは保証した。
「困っている人は見捨てないですし」
「いじめもしませんで」
「動物虐待も」
「そういうの止めさせる依頼も受けてますし」
「孤児院の臨時雇いもしてましたね」
「徳は積んでいるでごわすな、ならでごわす」
 北原にしてもだった。
「これからお金の話をするでごわす」
「それでしたら」
 四人で北原に雇う際の額を言ってきた、その額を聞いてだった。
 北原もだ、こう言った。
「いいでごわす」
「この額でええですか」
「勿論その際の宿とお食事も貰いますけど」
「お酒も飲みますし」
「それでもええですか」
「別に構わないでごわす」
 北原は四人に平然と答えた。
「衣食住の分は別に出すでごわす」
「そうしてくれんですか」
「それは助かります」
「ほなそっちもお願いします」
「たらふく頂きます」
「そうするといいでごわす」
 北原は笑顔で応えた、しかしだった。
 ここでだ、美鈴は北原にそっとこう囁いた。
「あの、実は」
「どうしたでごわすか」
「この四人は遊び人でして」
「さっき聞いたでごわすよ」
「底なし胃袋なのですが」
 いい加減で怠け者であるだけでなくというのだ。
「趣味の一つに各地の名物の食べ歩きがありまして」
「こっちの世界でもでごわすか」
「傭兵に行くついでに」
 美鈴は言葉の中にむしろそちらがお目当てだと含めて話した。
「食べて飲んでで」
「凄いでごわすか」
「お金の方も」
 肝心のそちらのこともというのだ。
「かなりかかりますが」
「四人の食事ならたかが知れているでごわすよ」
「それはそうですが」
「それでもでごわすか」
「一人当たり十人前はぺろりで」
 そうしてというのだ。
「一日五食です」
「スペイン人並でごわすな」
「しかも軽食ではないです」
 スペインの食事は朝昼晩以外にもおやつが二つあるがその二つは軽くだ。昼食が一番多いスタイルなのだ。
「五食共です」
「しっかりとでごわすか」
「食べています」
「うち等太らない体質ですさかい」
「それで幾らでも食べられるんです」
「起きた時の世界では高等部の食堂で食べてます」
「八条学園の食堂日本全国と世界のメニューが揃ってますから」
 四人もこう言ってきた、それも悪びれず。
「こっちの世界では五食です」
「あっちでは三食ですよ」
「こっちでは何かお腹めっちゃ空きますから」
「あと間食もします」
「おいどんもこちらの世界では食うでごわすが」
 かく言う北原自身もだった。 
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