クロスウォーズアドベンチャー
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第22話:皇帝聖竜
大輔とヒカリは賢と合流して爆発の発生元に向かうとそこにはキリハとメタルグレイモンの姿があった。
「キリハさんとメタルグレイモン!?」
「危ない!!」
謎のデジモンと戦っているメタルグレイモン。
デジモンはメタルグレイモンにトラックを投げ飛ばし、メタルグレイモンがそれを真っ二つにするが…。
「純情エメラルドチョップ!!」
「グガッ…!!」
強烈な手刀を喰らい、メタルグレイモンが地面に叩き付けられ、キリハが落下していく。
しかしドルルモンがキリハを救出した。
「ヒカリちゃん、賢、行くぜ!!」
「「うん!!」」
「ブイモン進化、エクスブイモン!!」
「ワームモン進化、スティングモン!!」
「デジメンタルアップ!!」
「テイルモンアーマー進化、微笑みの光!ネフェルティモン!!」
「「「エヴォリューションクロス!!」」」
「パイルドラモンHM!!喰らえー!!」
「ブルアアッ!?」
顔面に全力の回し蹴りを叩き込んで転倒させる。
「大輔君、ヒカリちゃん、賢君…」
「ごめんなさい、アカリさん。心配かけちゃって…もう大丈夫です!!」
「本当に?」
「はい、大輔君がいるから大丈夫です!!」
「むむ?もしかして…じゃなくてキリハ君、こんな所で暴れたらみんなが危ないじゃない!!」
大輔とヒカリの雰囲気の変化に気付いたアカリだが、今はそれどころではないとキリハに詰め寄る。
「見なさいよ!!関係ない人を大勢巻き込んで…こんなのがあんたの戦い方だって言うの!?」
アカリの後ろにはメタルグレイモン達の戦闘に巻き込まれた人々の姿があった。
「っ!…ふ…ん…!俺は現代人と言う奴が嫌いだ…!下手に知恵をつけて根性がついて来ないから言い訳ばかりが上手い…!」
「ドルルモン、キリハさんはどうしたんだ?滅茶苦茶機嫌悪いけど?」
「…実はな」
大輔達はドルルモンから別行動していたタイキ達に何かあったのかを聞いたのである。
キリハの機嫌が悪いのはタイキの小学校時代の友達のタツヤのことであった。
タイキと一緒に陸上の選手をしていたのだが、大きな怪我をしてしまったらしい。
昔のタイキは今のタイキとは違い、昔は自分でやりたいことを見つけて周りを巻き込むタイプだったらしく、興味のあることにすぐにのめり込んで並行してやり続ける人間だった。
しかしある時のタイキは陸上にハマり、タツヤと共にオーバーワークの練習をしてしまいタツヤを大怪我させてしまったらしい。
それ以来タイキは自分が何をしたいのか、何になりたいのか言わなくなってしまったのだ。
逆に困っている人を見たら、特に真剣に何かを取り組んでいる人を見るとなりふり構わず助けるようになった。
そこがキリハは気に食わなかったようだ。
「…成る程、確かにタイキさんの性格なら自分が傷つくよりも堪えるだろうな…でもそれって…こう言っちゃなんだけどさ、それってタイキさんの自己満足じゃないのか?そのタツヤさんって人は陸上にハマって頑張ってたんだろ?タイキさんのライバルだったんだろ?俺だったら、そんな簡単にライバルに諦められたらふざけるなってなるぞ…」
「でも大輔君、みんなが大輔君みたいに強いわけじゃないんだよ…?」
「……」
大輔達が会話している横でキリハとアカリの会話も続く。
「工藤タイキも同じだ…!現実を正面から見ることの出来ない腑抜けた現代人だ…!俺は…(俺は奴となら、同じ厳しさで現実を見て互いを高め合えると…)」
「タイキは腑抜けなんかじゃないっ!!ううん…みんなそうなんだよ?もやもやした気持ちを引き摺って…それでも自分の納得出来る生き方を探そうとしてもがいているんだよ!?キリハ君は自分や他人を傷つけてでも思ったことをやり通すって決めたけど…他の人はそうじゃない別の答えを探してる途中なのっ!!待ってなさいよ…!タイキだって必ずタイキなりの答えを見つけて戻ってくるんだからっ…!!」
アカリの言葉にキリハは呆然としていたが、次の瞬間笑った。
「フッ…フフッ…ハハハハハ!!全く、とんだ淑女様だ…!!あんな腑抜けには勿体ないな…!!ま…こんな不条理な事故でくたばられては、こいつらが腑抜けた生き様を悔いてる様も拝めんというもの。場所を変えるとするか…」
「それがいいです。あのままではパイルドラモンはともかく、メタルグレイモンがやばいです」
賢が指さすと、パイルドラモンHMはまだまともにやり合えているが、メタルグレイモンがボコボコにされている。
「ぐはははははーっ♪あべしっ!!」
「パイルドラモン、場所を変えるぞ!!」
「了解!!」
パイルドラモンHM達は大輔達を回収し、別の場所に向かう。
「メタルグレイモンがこてんぱんにのされちゃうなんて…あいつどういうデジモンなのよ!?」
「三元士、ブラストモン…その圧倒的なパワーと頑強な装甲はあのタクティモンすら凌駕する…!個体としては間違いなくデジタルワールド最強の生命体の一角だろうな」
「あのタクティモン以上?」
「えっ…でも、三元士最強ってタクティモンじゃないの?」
アカリの問いにドルルモンとキリハが反応する。
「ああ、それはな…」
「馬鹿なんだ。物凄く」
「「「「へっ…?」」」」
「まあ、見てろ」
素っ頓狂な声を出す大輔達だが、キリハはドルルモンから降りてブラストモンに向かう。
「おい、ブラストモン!」
「何だぁあ、正々堂々戦う気になったかああ~っ!?」
「ああ…決着をつけようじゃないか。ジャンケンで勝負だ!!」
「「「「はあ!!?」」」」
「貴様、俺様を馬鹿にしているなっっっ!!?」
「何だお前、三元士の癖に知らないのか?ジャンケンとは…デジタルワールドの創造神、グーモン・チョキモン・パーモンの三柱が果てしない闘争の果てに繰り出したそれぞれの必殺拳を模した三手を使って行われる神聖な闘技だ!!この世界の覇権をかけて戦う我々にこれ以上相応しい戦い方は有り得ないと言えよう…!!」
「(えええええ、何その投げ槍な嘘ーーーっ!!!)」
「(そんなんで信じる馬鹿がいるのか…?)」
「ブルアアア、知らなかったあああ!!そんな素晴らしい戦い方があったなんてえええぇ!!」
「(いたああああ!!?)」
「(えええええ、信じちゃったし!!)」
大輔とアカリが驚愕で目を見開いた。
「因みにここにおわすのが闘技ジャンケンの世界チャンピオン、パイルドラモン様だ!!」
「え?」
ブラストモンの相手に抜粋されたのはパイルドラモンHMであった。
「「「「「なんとーっ!!!」」」」」
「そしてあれに見えるのが…闘技ジャンケンの神聖なる土俵…第六台場だ!!」
キリハが示した場所は立ち入り禁止の島である。
「ぬおおぉお、よぉし、そこで決着をつけようぞおおお!!」
「(えええええええ…え?あっ…確かにあそこ立ち入り禁止の島だから安全かも…!)」
「(キュートモン、今のうちにパイルドラモンHMとメタルグレイモンの回復だ)」
「(キュ!)」
ドルルモンがキュートモンに回復の指示を出し、そして少し離れた場所にこの状況を見ている者達がいた。
「おやおや~?周囲に被害を与えない場所に移動しつつ…工藤タイキの到着までの時間を稼ぐつもりだネ♪」
「あの蒼沼キリハがこんな策を取るとは…」
ダークナイトモンの配下であるツワーモンとシェイドモンであった。
「よし…全快したぞ…その前に…」
パイルドラモンとネフェルティモンが分離する。
「パイルドラモン?」
「ヒカリとネフェルティモンはタイキ達を捜してくれ、あいつを倒すにはタイキ達の力が必要なんだ」
「…でも」
「大丈夫、簡単にやられたりはしないさ」
「分かった…信じてるからねパイルドラモン!」
ヒカリとネフェルティモンにタイキ捜索を任せてブラストモンとパイルドラモン達が向かい合う。
「さぁ~あああ、決着をつけるぞおおおぉぉ!!蒼沼キリハあああ~っ!!!!」
「ああ!だがその前にルールを確認しておこうか。闘技ジャンケンでは先に100本勝った方が最終的な勝者となるのだ。」
「(多っ!?)」
隣で聞いていたアカリが思わずツッコむ。
「何いいい!?そんなに何度も勝負するのかああ~っ!!?」
「三大神の決戦は実力が伯仲し、何百日にも及んだと言う。その戦いに敬意を払ってこのルールがあるのだ。数百回に及ぶであろう勝負を我々は一手たりとも気を抜かず撃ち合わねばならぬ…正に腕が砕けんばかりの苦行となるだろうな。どうした…怖じ気づいたか!?」
「何だとおお!望むところだあぁ~っ!!!」
キリハの挑発を受けてブラストモンがやる気を出す。
「上手いな…時間は充分に稼げそうだ。」
「こ…こんな手が通じるのはあいつだけキュ…!」
「ブルァァアアア、デジタルワールドを創り給いし神々よ御照覧あれえぇぇぇぇ…!我ここに乾坤一擲の拳を捧げ奉らあああああん!!!!」
天に拳を掲げると、凄まじい力を放出した。
「きゃあああ!ななななな何これえええ!!?」
「きっ…気合い!!?ただの気合いだ!!奴め、キリハの嘘を真に受けて気合いが入りやがった!!」
気合いだけで吹き飛ばされそうになる大輔達。
「…さぁーああああああ、行くぞぉおおお、1本目えぇぇえええ!!ジャン…」
「あ…あわわわ、なっ…何かヤバくない!!?」
「みんな下がれ!!!!」
キリハ達を庇うようにパイルドラモンが前に出て構えた。
「ケエェェェエエン…!!」
「(ただ力を入れるだけじゃ駄目だ。全てのパワーを右腕に…!!)」
「グーーーーっ!!!!」
「パーーーーっ!!!!」
カッ!!
ドッッッゴオオオオンッ!!!
パイルドラモンのパーとブラストモンのグーが激突した。
「絶対ジャンケンで出る音じゃなーい!!」
「どっ…どういうレベルの馬鹿力よこれえ~!!」
「直撃したら粉々になるぞっ…!!パイルドラモンは!?」
アカリ、テイルモン、ドルルモンが叫ぶが、真っ向からブラストモンのグーを受け止めたパイルドラモンは…?
「ぐはあ!!」
ジャンケンには勝ったが、完全に力負けして地面に叩きつけられている。
「X5とほぼ互角のパイルドラモンが一方的に力負けした…!?」
力負けしたパイルドラモンの姿に、信じられない物を見たかのようにドルルモンが呟いた。
「うぬうううう、今度は負けんぞおおお~っ!!」
「パイルドラモン、また来るぞ~!!」
「ぐっ!!」
「ジャン…!ケエエエン…!!チョキ!!」
「グー!!」
ブラストモンはチョキ、パイルドラモンはグーで応戦するものの、再び力負けしてパイルドラモンは吹き飛ばされた。
「パイルドラモン、しっかりしろ!!」
「大丈夫…まだやれる!!」
「急いでくれヒカリさん…!!」
ヒカリとネフェルティモンはタイキ達を捜し回っていたのだが、正面からオメガシャウトモンとタイキがやってきたのを見て急停止した。
「タイキさん!!オメガシャウトモン!!」
「ヒカリ!?もう大丈夫なのか!?」
「はい、私はもう大丈夫です。タイキさん、ブラストモンが!!」
「分かってる、俺達も今向かってる所だ。」
「タイキさん、何かすっきりしましたね?」
今までのタイキと比べて表情がずっと生き生きとしている気がした。
「ああ、古い友達と会ってさ。昔話をちょっと…」
「ふふ、アカリさんの言う通り、タイキさんはタイキさんの答えを見つけて戻って来たんですね!!キリハさん達は第六台場で戦っています!!」
「第六台場だな!!でも、どうしてそんなとこで…?キリハのことだから周りの被害なんて気にせず戦っているかと思ってたのに…」
「アカリさんですよ。アカリさんがキリハさんを説得したんです。タイキさんのこと、信じてたんですよ。誰よりも」
「そっか…やっぱりアカリがいないと駄目駄目だな。幼なじみだからっていつも助けてもらって…」
「…あの、タイキさん?もしかしてアカリさんがタイキさんのお世話するのをただの幼なじみだからって思っているんじゃ…?」
「え?違うのか?」
その言葉にヒカリは思わず叫んでしまった。
「ち・が・い・ま・す!!確かに幼なじみも理由の1つでしょうけど、アカリさんはタイキさんのことが好きなんですよ!!“like”じゅなくて“love”の好きなんです!!」
「……………え?」
「(ああ…言っちまった)」
「(ツッコミたい気持ちは分からないわけじゃないけどねえ…)」
それを聞いたオメガシャウトモンとネフェルティモンが胸中で呟く。
「え?えええええええ!?そ、そんな馬鹿な!?ア、アアアアカリがあああああ!!!?」
「幼なじみってだけでここまでお世話なんかしません!!」
ヒカリの兄である太一には幼なじみの空がいるが、流石にアカリのように献身的に世話を焼いたりはしない。
最初は理解出来ていなかったタイキが徐々に赤面し、動揺を静めるために謎の盆踊りをし始めた。
「え?あ、いや…その…俺は…俺はっ!!?」
「タイキ…そろそろ行こうぜ」
「みんなが待ってるわよ」
「へ?ちょ…待って…」
動揺しているタイキに構わずオメガシャウトモンとネフェルティモンは第六台場に向かう。
一方、ブラストモンとジャンケンで戦い続けているパイルドラモンは。
「はあ…はあ…」
外郭に罅が入り、立っているのもやっとな状態のパイルドラモンの姿があった。
「何でジャンケンであそこまでボロボロになるの…?」
「あんな馬鹿力じゃ…例えHMでも…!!」
「けっ…桁違いすぎる…!!これがデジタルワールド最強のパワー…!!」
「(奴の底力…馬鹿さ加減…!…全て読み違えた…!!完全なる…戦術ミス…!!奴を調子づかせ、こちらは逃げ場を失った…!!)」
「ジャンケン…!!」
「また来る!!」
「ぐ…おおおお!!」
パイルドラモンが力を振り絞って迎え撃とうとするが、
横から凄まじい速度でオメガシャウトモンが姿を現した。
「ビートスラッシュ!!」
オメガシャウトモンの蹴りがブラストモンに横っ面に炸裂した。
「ぱぶらっ…ぬあぁにいぃいいいい」
「タイキッ…!!」
「大輔君、賢君!!お待たせ!!」
「お帰りヒカリちゃん。」
「タイキさんもよく…タイキさん…?」
無言のタイキに疑問符を浮かべる賢。
「タイキ…ちょ、どうしたの?黙り込んじゃって?」
「エ!?イ、イヤア、何デモナイヨ?アカリサン」
「何でもないなら何で私と目を合わせないのよ!!こら、ちゃんと人の目を見て話しなさい!!」
「ア、アカリサン!!止メテ下サイ!!!」
アカリがタイキと目を合わせようとするが、タイキも踏ん張って阻止する。
「何だ?何時もと様子がおかしいが?」
「ごめんなさい…ごめんなさいアカリさん…私、タイキさんに暴露しちゃいました…」
「何?どういうことだ?」
ヒカリの言葉に疑問符を浮かべながらキリハが尋ねる。
「実は…かくかくしかじかのブイモンヘッドで…」
「ふむ…工藤タイキはさっきとは別の意味で腑抜けになってしまったということか」
「ごめんなさい…私のせいで…タイキさんが別の意味で腑抜けに…!!」
「いや別にいいんじゃねえのヒカリちゃん?ああでもないとタイキさん気付くの滅茶苦茶遅れたぜ?」
「同意見だ。あのままでは、あの腑抜けと陽ノ本アカリ嬢は確実に進展せんだろうから寧ろあれで良かったかもしれん…おい、腑抜け」
大輔の言葉にキリハは同意するとタイキを呼ぶ。
「キリハ!?」
「別の意味で腑抜けになったようだが、随分とマシになったじゃないか。ようやく貴様にも出来たようだな、いかなる犠牲を払ってでも自らの目的を果たすという覚悟が…!!」
「はあ!?誰かを傷付けて夢を叶えたって嬉しくなんかないよ!俺はキリハみたいなやり方なんて絶対認めないからな!…けど…同じ夢を追う仲間と痛みや苦しみを分け合うことなら…今なら出来る!俺もっと…みんなの覚悟や決意を信じなくちゃいけなかったんだ…!!」
それを聞いたキリハは苦笑し、そして深い溜め息を吐いた。
「呆れ果てた…貴様は結局そこ止まりか。俺達の色は決して混じり合わないと言う天野ネネの見立ては正しかったらしい…貴様を部下に迎え、バグラ軍と戦うという戦略は間違っていた。」
「えっ…えええ!!?諦めてくれるの!!やった!!超ラッキー!!!」
「故に今から貴様には俺のライバルになってもらう」
「へっ!?」
「仲間として混じり合い、共に高みを目指すのが無理というなら敵としてぶつかり合い互いを磨き合うまでのこと!!」
「い、いや…」
「そりゃあいいですねタイキさん。キリハさん頭も運動神経もいいからタイキさんのいいライバルになれますって」
「だ、大輔…でも俺は」
「どうせだから紳士のキリハさんに女の子の扱いを教えてもらったらどうなんですかタイキさん?」
「がふっ!?」
満面の笑顔のヒカリから放たれた鋭利な言葉の矢がタイキの純情(爆笑)ハートを撃ち抜いた。
「キリハさんだったらタイキさんの無茶ぶりについて行けそうだからいいんじゃないですか?」
「け、賢まで…」
賢までキリハの味方をする始末であった。
「4対1で俺の勝ちだ。今日から貴様は俺のライバルだ、異論は認めん。」
「俺はお前の相手なんてするつもりは…」
「ならば陽ノ本アカリ嬢の目を見て話してみろ。そうすれば考えてやってもいい」
「…………」
無理であった。
「30秒経過、時間切れです。今日からめでたく…お2人はライバル同士です」
「「おめでとうございまーす」」
大輔達がタイキとキリハの関係を祝福した。
「くそおおお……」
「では行くぞ我がライバル、タイキ!!我々の戦いに水を差す無粋なバグラ軍などとっとと駆逐してしまおうではないか!!」
「…仕方ないなぁ、もう!!」
「パイルドラモン、行けるか!?」
「ああ、キュートモンに少し治してもらった。」
「ヒカリちゃんとネフェルティモンはアカリさん達を安全な場所に」
「分かった。みんなを向こうに行かせたらすぐに戻るから!!」
ネフェルティモンはアカリ達を少し離れた場所に連れて行く。
「うぬうううううう…ちょっぴりお馬鹿な俺様でも知っているうう。ジャンケンでキックを出しちゃいけませええええん!!」
「メタルグレイモン進化!ジークグレイモン!!」
メタルグレイモンも進化し、オメガシャウトモン、パイルドラモンと共に突っ込んでいく。
「デスペラードブラスター!!」
「プラズマレールガン!!」
「ヘヴィメタルバルカン!!」
3体がエネルギー弾を連射し、ブラストモンに直撃させていく。
「グッ!!ムッ…ヌウオオオオオオォッ!!」
それを少し離れた所で見るデジモン達がツワーモンとシェイドモンの他にもいた。
「すっ、凄い!あのブラストモンを押していますお師匠様!!」
「何てことだ!我々ロイヤルナイツでも1対1じゃ苦戦を免れない相手なのに!!(そ…それにこの気配は…最初の戦いで消息を経った我が僚友達の…!?)あ…ああもう、この目が治ったら加勢に行って色々確かめられるのに~っ!!」
「「「お師匠様、威厳威厳っ!!」」」
ロイヤルナイツ最速の聖騎士・アルフォースブイドラモンが頭を抱えてジタバタし、弟子のデジモン達に止められていた。
「うおおおおおお!!一気にケリを着けるぜえっ!!オメガ・ザ・フュージョン!!」
「ファイナルストライクス!!」
「エスグリーマ!!」
3体が一気にケリを着けるためにブラストモンに向かってとどめを刺すために突撃する。
しかし、ブラストモンはこれで終わるような相手ではなかった。
「ヌゥ~ウウウゥウ…舐あぁめるなあああ!!」
煙を突き破って飛び出したのはまるで堪えていないブラストモン。
「何っ…!?ぷあっ!!」
「グムっ…!!」
ブラストモンはオメガシャウトモンとジークグレイモンを受け止めると、パイルドラモン目掛けて叩き落とす。
「ぐああああっ!?」
「グハッ!!」
「ぎっ…や…野郎~っ!!」
「ミ…ミレニアモンを圧倒した2体といくら消耗してるからって、あのパイルドラモンを含めた3体掛かりの猛攻だぞ!!堪えてないってのか…!!?」
「あ…あんなのどうやって倒しゃいいんだよぉ!!」
「「まだまだあーっ!!」」
「「限界を…超えろーっ!!」」
「オメガシャウトモン!!」
「ジークグレイモン!!」
タイキとキリハが互いのXローダーを連結させる。
「「ダブルクロス!!」」
「シャウトモンDX!!」
ボディは殆どジークグレイモンで右腕がオメガシャウトモンのボディが変化した銃剣となり、高い機動力と攻撃力を兼ね備えた姿となる。
そして大輔と賢の想いが極限まで高まったことでパイルドラモンは更なる進化を会得した。
「パイルドラモン進化!インペリアルドラモンDM(ドラゴンモード)!!」
「パイルドラモンがもう一段階進化した…と言うことは…」
「究極体だわ!!」
パイルドラモンは一段階進化し、黒金の装甲に赤い翼と白い鬣を持ち、古代デジタルワールド期に君臨したと言われているインペリアルドラモンDMへと姿を変えた。
インペリアルドラモンDMは飛翔し、シャウトモンDXがブラストモンに猛攻を仕掛ける。
「なっ…何だぁあああ~!!!何で俺の攻撃を喰らって倒れないんだああっ!!」
「うぉお!!」
「ガルァアアア!!」
シャウトモンDXとブラストモンの互いの拳が炸裂する。
「ぐぁ!!」
「うぬあ!!」
「こんの…まだっ…やるかあっ!!エレキバスタークロス!!」
シャウトモンDXの銃剣がブラストモンの頑強な装甲を削る。
「グワッギャアアアアアアッ!!!!」
「ポジトロンレーザー!!」
追撃にインペリアルドラモンDMが背中の大砲から光線を発射し、ブラストモンに炸裂させた。
「行けえ!!インペリアルドラモン!!」
「スプレンダーブレード!!」
「グゥギャアアアァアアア!!?」
インペリアルドラモンDMの両前足に付いているブレードでブラストモンの胸にX字の傷を刻む。
「うっ…ぐ…おおおお…!!」
シャウトモンDXとインペリアルドラモンDMの猛攻に今まで揺るがなかったブラストモンがとうとう膝を着いた。
「えっ、えええええ~っ!!ブラストモンが…」
「いっ…いかん!ここまでの攻防は予想していなかった…!このままでは…!!」
「「畳み掛けるっ!!シャウトモンDX!!バリスタモン!!ドルルモン!!スターモンズ!!グランドクロス!!」」
「シャウトモンX6!!」
シャウトモンDXが残りのメンバーとデジクロスし、今までの形態とは異なり体も相当に巨大化した。
シャウトモンの武器であったスタンドマイクを巨大化させた物を握り締めている。
「ヒカリちゃん!!」
「うん!!インペリアルドラモンDM!!ネフェルティモン!!デジクロス!!」
「インペリアルドラモンHDM(ホーリードラゴンモード)!!」
インペリアルドラモンDMもネフェルティモンとデジクロスすることで更なる力を得る。
インペリアルドラモンDMの黒い装甲が純白に染まり、より強力なパワーとスピード、そしてネフェルティモンの聖なる力を扱えるようになった姿である。
「うわあ…まるでロイヤルナイツの始祖様のようです!お師匠様!!」
「何だって!?くっ、ああもう!一体全体何がどうなってるんだあああ!!?」
「「「お師匠様、威厳威厳っ!!」」」
頭を抱えてジタバタと叫ぶアルフォースブイドラモンに弟子達が叫ぶ。
「ブルアアア、まぁた変わりおってえ、いい加減に俺様に粉!!砕!!されろぉおお~っ!!!!絢爛!!クリスタルボルケーノ!!」
地面を殴り、それによって生じた爆発の勢いを利用してシャウトモンX6とインペリアルドラモンHDMに突撃してくる。
シャウトモンX6はスタンドマイクにエネルギーを、インペリアルドラモンHDMは右前足のブレードに聖なる光を纏わせた。
「クロスシューティングロッカー!!!!」
「セイクリッドブレード!!!!」
2体の攻撃はブラストモンを真正面からねじ伏せた。
「(ああ~っ!今度は第六台場が…!!)」
「なっ…何というパワーだ…!!2体掛かりとは言えあのブラストモンを正面から力でねじ伏せてしまった…!!」
ウィザーモンが驚愕しながら言う。
シャウトモンX6とインペリアルドラモンHDMは警戒するが、煙から時空の歪みが見えた。
「大輔君、あれ…」
「デジタルゲートだ…」
「奴め!逃げる気かっ!!後顧の憂いだ!!ここで奴を潰す!!」
「インペリアルドラモン、早く攻撃を…」
「待て、キリハ、大輔!」
「「!?」」
急に高度が落ち始めたシャウトモンX6とインペリアルドラモンHDM。
「わ…悪ぃ、ちいとガス欠だぁ…」
「シャウトモンが限界なんだ!!進化してると言ってもここまでのデジクロスはベースになってるデジモンに負担が大き過ぎる!!」
「エクスブイモンも限界か…そうだよな、あんなに頑張ったもんな…」
「ごめん、大輔…」
消耗したシャウトモンX6とインペリアルドラモンHDMはゆっくりと着地するのであった。
後書き
インペリアルドラモンHDMは白いドラゴンモードですね
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