八条学園騒動記

「経営の神様って言われる人でないと」
「それこそね」
「出来るものじゃないわ」
　到底というのだ。
「そんなことは」
「だからもうお店の方もね」
「売れ残るということは」
「最初から」
　もうその時点でというのだ。
「考えてね」
「そうしてそのうえでね」
「経営してるから」
　むしろ在庫がある方がいいという考えもある、毎日完売では在庫が心配になるという問題もあるのだ。この辺りも商売は難しいのだ。　
　それでだ、ジュディはまた飲んで言った、ジュディの方は酒が回ってきていて顔も赤くなってきている。
「まあ現実にそうしていても」
「収益はあるから」
「お店やっていけてるわね」
「何とかね」
「それが現実よね、ハンバーガーにしても」
「何か食べる勢いがいいわね」
　プリシラはジュディのハンバーガーを食べるそれを見て述べた。
「私よりも」
「ちょっとお腹空いてるから」
「だからなのね」
「まあ普段から食べる方だけれど」
　この自覚もあるのだ。
「今日はね」
「特になの」
「ええ、食べてるわ」
　勢いよくというのだ。
「自分でもそう思うわ」
「ボリュームのあるハンバーガーだけれど」
　五段だけあってだ。
「もうかなり減ってるわね」
「そうね」
「美味しいこともあるわね」
「これがまずいと」
　それならというのだ。
「もうね」
「食べられないわね」
「まずくて量が多いって」
「それってね」
「最悪でしょ」
「ええ。しかも高いと」
　この要素も加わればというのだ。
「文句なしにね」
「最悪よね」
「けれどなのね」
「あんたのお店のハンバーガー美味しいわよ」
　食べつつ太鼓判を押しての言葉だった。
「だからね」
「元気に食べられるのね」
「そうなの、この通りにね」
　言いつつだ、さらに食べるジュディだった。
「お酒も美味しい」
「美味しいなら何よりよ」
　店で働いている者としてだ、笑顔で応えたプリシラだった。
「私もね」
「実際に美味しいでしょ」
「ええ。だから今もね」
「食べてるのね」
「そうよ、しかしね」
「しかし？」
「これ一個で本当にね」
　五段バーガー一個でというのだ。
「かなりのものよね」
「ボリューム凄いわね」
「そうよね。ただね」
「ただ？」
「高等部もだけれど大学のね」
　八条大学である、連合でも屈指のマンモス学校だ。
「相撲部やプロレス部、アメフト部やラグビー部の人達だったら」
「いや、その人達はね」　
　すぐに答えたジュディだった。
「また別だから」
「食べるのはお仕事で」
「そうでしょ、だからね」
　それでというのだ。
「もうね」
「どれだけ食べるか」
「わからないでしょ」
「もう別格よね」
　その食べる量たるやというのだ。