八条学園騒動記
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第四百九十七話 五段バーガーその四
「これかなり」
「美味しいわね」
「ええ、いいわよ」
「うちのお店の看板の一つなの」
「ハンバーガーと並んで」
「人気商品なの」
「ハンバーガーも美味しいけれど」
それだけでなくとだ、ジュディはさらに言った。
「こっちも売りなのね」
「ええ。本当によく売れるわ」
そうだというのだ。
「そして私もね」
「こうした時になのね」
「貰って」
そしてというのだ。
「お家で食べてるの」
「そうなのね」
「完売することはないし」
「人気商品でも?」
「それはないの。もっともね」
「もっとも?」
「結構日持ちするから」
チキンナゲットはというのだ。
「ハンバーガーもフライドポテトもだけれど」
「即日捨てるんじゃないのね」
「そう。だから賞味期限切れ寸前のをね」
「貰うのね」
「うちのお店ではそうなの」
「スーパーみたいに半額とかにして売らないの」
「それはしないわ」
そうだというのだ。
「チェーン店全体で」
「そこはスーパーと違うのね」
「またね。それでね」
「今日のは賞味期限ギリギリのなのね」
「どちらもね」
ハンバーガーもチキンナゲットもというのだ。
「そうなの」
「そのこともわかったわ。というかね」
「何かしら」
「いや、人気商品でもやっぱり」
「売れ残りはあるわ」
「それでその分のこともなのね」
「もう最初から頭に入れて」
そのうえでというのだ。
「お店もやってるの」
「成程ね」
「それがどのお店もでしょ」
「ええ、私の方もね」
ジュディは今はコンビニの店員だ、明るい接客と素早いフットワークで店からの評判はかなりいい。
「やっぱりね」
「売れ残りの分もね」
「考えてるわ、ただね」
「売れ残りはないに限るわね」
「完売がね」
それこそがというのだ。
「やっぱりね」
「理想ね」
「理想よ、けれどね」
「理想は理想よ」
プリシラは飲みつつ述べた、酒はもう結構入っているが酔いは顔に出ていない。
「あくまでね」
「そこね」
「大事よね」
「ええ、理想と現膣は違う」
「厳然とした事実よ」
このことはというのだ。
「本当にね」
「そこね、何ていうか」
「お店の経営にしても」
「完売が理想でね」
「それも毎日ね」
「そうなれば最高だけれど」
「究極の理想で」
そうした状況はというのだ、実際に毎日商品が完売する店はこの時代でも滅多にあるものではない。
「夢みたいなものよ」
「夢よね」
「夢は現実にするものでも」
「かなり難しいわね」
「不可能でないけれど」
それでもというのだ。
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