八条学園騒動記
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第四百九十七話 五段バーガーその三
家の扉、アパートの二階にあるそこにプリシラが来て言ってきた。
「今帰ったところなのね」
「ええ、この通りね」
扉の鍵を開けようとしつつの返事だ。
「今からって思ってたの」
「いいタイミングだったわね」
「ナイスタイミングだったわよ」
ジュディはプリシラに笑顔で答えた。
「まさにね」
「それは何よりよ」
「それじゃあいいわね」
「ええ、中に入れてくれるかしら」
「勿論よ、じゃあ一緒にね」
「お部屋の中で」
「一緒に飲みましょう」
ハンバーガーを食べてだ、こう話してだった。
二人で一緒にジュディの家に入った、プリシラはこの時お邪魔しますと言うことも忘れなかった。そうしてだった。
二人でテーブルに座ってハンバーガーとサラダ、チキンナゲットに果物の無花果達にそれぞれの酒も出した。
ジュディは自分達の酒も見てそうして言った。
「ああ、二人共カクテルね」
「炭酸のね」
「それでいくのね」
「ハンバーガーだから」
プリシラはそれ故にと答えた。
「コーラみたいにって思ってなの」
「私もよ。これね」
アルコール度十パーセントのかなり強い缶のカクテルだ、ジュディも同じ系列のもので二人共五〇〇ミリリットルを何缶も出している。
「利くからね」
「いいわよね」
「もう利き過ぎて」
ジュディは笑ってこうも言った。
「怖い位よ」
「このお酒は」
「しかも味もいいしね」
「ええ。飲みやすいわ」
「だから買ったけれど」
「今から二人で飲みましょう」
「食べながらね」
二人で食事の用意をしてだった、乾杯をして。
飲んで食べる、二人共まずはハンバーガーを一口食べてから酒を飲んだ。そうしてからまずはジュディが言った。
「合うわね」
「本当にね」
プリシラも微笑んで応えた。
「利くし」
「いい感じにね」
「これで酔わないっていうのは」
「ロシア人位かしら」
「ロシア人の強さは普通じゃないから」
酒へのそれはというのだ。
「だからね」
「また別格ね」
「アンネットもそうだし」
「アンネットも飲むしね」
アンネット自身が言うには飲まないとロシア人ではない。
「まああの国の人達はね」
「置いておいて」
「何しろハンバーガー食べても」
その時に飲むことは言うまでもない。
「ウォッカだから」
「アルコール度四十パーセントの」
「凄いのだったら九十七パーセント」
「凄いわね」
「だからまた規格外ね」
「ロシアについては」
その通りだとだ、プリシラも言う。そしてだった。
今度はチキンナゲットを食べてから飲んでジュディに言った。
「チキンナゲットにも合うわ」
「そうなのね」
「だからジュディもね」
「食べていいのね」
「遠慮はいいわ。あまりだし」
店の売れ残りだからだというのだ。
「特にね」
「じゃあお言葉に甘えて」
「それじゃあ」
ジュディも頷いた、そしてだった。
そのチキンナゲットを手に取って食べた、そのうえでプリシラに言った。
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