八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十六話 八条学園の結界その十
「箒でお空飛ばないから」
「そうしたことはしなかったわネ」
「毒だったあるな」
「あと色々な陰謀ネ」
「そうしたものだったある」
「魔女といっても現実的だから」
それでもあの頃、十七世紀のフランスだと火炙りものだった。フランスというか欧州自体がそうだった。
「ミレディーはね」
「魔女は魔女でモ」
「そうだったあるな」
「うん、だからこそあの作品にも合っているし」
魔術を使わないからだ。
「政治にも関われるんだよね」
「というかあの時代のフランスだト」
ここでジューンさんが言うことはというと。
「ああした人結構いたんじゃないノ?」
「ああした魔女が」
「何でもカトリーヌ=ド=メディシスも」
フランス語読みだ、メディシスは即ちメディチ家のことだ。
「黒ミサ行ってたのよネ」
「そうらしいね」
フランス王妃のこの人もだ。
「毒薬も使って」
「相当なことしていたのよネ」
「みたいだね、あとルイ十四世の時代にも」
「三銃士の後の話ネ」
「うん、作中でもだけれど」
その三銃士のだ。
「あの時もね」
「魔女のお話あったのネ」
「火刑法廷があったから」
この話は歴史に残っている。
「あの時はね」
「大騒動だったわネ」
「資料は残っていないけれど」
捜査の記録とかはルイ十四世が全て償却された、ことの露見と話が後世に残ることを心の底から恐れたからだという。けれど鉄仮面のことといい随分と話の隠蔽を言うことの多い人だとも思うがどうなのだろう。
「それでもそうだったらしいね」
「国際的な犯罪組織があっテ」
「毒を使ったりね」
「その中心が魔女だったっテ」
「ラ=ヴォワザンっていうね」
「魔女だったのネ」
「魔女でも箒には乗らなくて」
それでだ。
「毒を使って陰謀にも関わる」
「悪い魔女ネ」
「うん、黒魔術は黒魔術でも」
その中でもだ。
「最悪の魔女だったよ」
「そうよネ」
「そう、そしてね」
「その内容ハ」
「国王が恐れた程だっていうから」
だから資料を全部隠蔽したのだろう。
「凄かったんだろうね」
「そっちもミステリーネ」
「それも事実で陰惨なね」
「そのまま三銃士に出るみたいナ」
「そうだったと思うよ」
こうジューンさんに話した。
「デュマは題材に使わなかったけれど」
「使おうと思ったかしラ」
「そこまではわからないけれど」
残念ながらだ、このことは想像の範疇だ。
「鉄仮面の方を選んだか」
「それかなノ」
「その時代はもうダルタニャンは死んでいたとかね」
「あっ、三銃士の時代より後だったラ」
「もうダルタニャン達出せないから」
実在人物のこの人が死んだ後の時代はダルタニャン物語では書けない、主人公が死んでしまってはどうしようもない。
「だからね」
「出せないノ」
「そうなるからね」
「そういえばルイ十四世の時代物凄く長いあるな」
「七十五年だから」
今度は水蓮さんに話した。
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