八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十六話 八条学園の結界その六
「それはまタ」
「それで噂になっていてある」
「それで皇帝に?」
「皇帝は最初信じていなかったあるが」
「それでもなんだ」
「皇后、自分の奥さんが病気になってある」
この時点でというのだ。
「おかしいと思って取り調べてある」
「それでわかったんだ」
「それで大騒動になったあるよ」
「それ歴史にもあるよね」
「はっきり書かれているある」
中国の歴史書にというのだ。
「事実だったとある」
「本当にそうなんだね」
「そしてある」
水蓮さんは真顔のままさらに言った。
「この時代この男以外にも猫鬼を使う奴が巷にも沢山出てある」
「余計に騒動になったんだ」
「そうある、だからある」
「猫鬼は怖いんだよね」
「中国にもこうしたお話があって鬼もある」
つまり幽霊もというのだ。
「話が多いあるよ」
「聊斎志異とかだね」
「その本は特に有名あるな」
中国の妖怪や幽霊の話の中でもというのだ。
「水木しげる先生の域までかどうかは知らないあるが」
「あの人は凄いからね」
僕はその漫画家さんの話にも応えた。
「世界中の妖怪に詳しかったからね」
「そうあるな」
「アメリカの妖怪にモ?」
そのアメリカ人のジューンさんが聞いてきた。
「詳しいノ」
「アメリカの妖怪も出してたよ、ご自身の漫画の中で」
「そうなノ」
「うん、バックベアードっていう妖怪ネ」
「何か聞いたことあル?」
「かなり強い妖怪だったよ」
ゲゲゲの鬼太郎で主人公達の強敵として何度か登場している、確かアメリカの妖怪大統領にもなっている。
「この妖怪もね」
「知っての通り我が国は歴史が浅いくテ」
それでというのだ。
「その分文化の蓄積がないって言う人もいテ」
「だから妖怪もなんだ」
「少ないとかいわれるけれド」
「そうなんだ」
「けれど実際はネイティブの妖怪もいテ」
「マニトーとかウェンティゴとか」
「幽霊の話も多いシ」
この話も多いというのだ。
「これで結構妖怪話もネ」
「多いんだね」
「そう、特にネイティブの妖怪ハ」
この人達の妖怪はというと。
「古いし多いノ」
「あとラグクラフトは」
「あれは邪神とその眷属だかラ」
「また違うんだ」
「そう、確かに有名だけれド」
「妖怪とはまた違うんだネ」
「また違うヨ」
ジューンさんはそこは断った。
「妖怪や幽霊よりずっと怖いシ」
「確かに怖いね」
「ナイアーラトホテップとかダゴンの話とカ」
何か得体の知れない、原始的というか無意識下にある邪悪を感じる。それがラグクラフト世界の邪神とその眷属達だ。
「凄いわよネ」
「本当にね」
「もうあそこはネ」
「また特別なんだ」
「そう、妖怪や幽霊じゃなくテ」
「邪神で」
「また別なのはわかっテ」
そうした世界の話だというのだ。
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