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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十六話 八条学園の結界その五

「喜んでいるらしいから」
「妖怪らしいネ」
「僕達の学園の口裂け女はそれで終わりだから」
 そこまでで他意はない。
「いいけれどね」
「人を襲ったりしないネ」
「それはないから」
「何か鉈とか鎌持ってないあるか?」
 水蓮さんはこのことを言ってきた。
「それで人を襲うと聞いているあるが」
「それもないから」
 うちの学園の口裂け女はだ。
「あと人面犬も出るらしいけれど」
「あの妖怪もあるか」
「夜の中等部の中庭を散歩しているらしいんだ」
「そうあるか」
「それで人面犬かって言ったらそうだよ、ほっといてくれっていって歩き去るんだ」
「それだけあるか」
「そう、この妖怪も何もしないから」
 本当にこれだけだ。
「安心していいよ」
「出会ってもあるな」
「正直ヤクザ屋さんよりずっと安全だから」
「そうあるか」
「ヤクザ屋さんは本当に危ないから」
 肩が触れたらどうなるかだ。
「そんな人達と比べたらね」
「別にあるか」
「怖くないよ」
「そんなものあるか」
「中国の妖怪でもそうじゃないかな」
「中国の妖怪は種類にもよるあるが」
「驚かせるだけじゃないんだ」
 水蓮さんに尋ねた。
「怖い妖怪が多いんだ」
「そうある、幽霊も鬼と言って怖いあるよ」
 こちらもというのだ。
「怨念の力が違うある」
「そんなに凄いんだ」
「猫鬼とかとんでもないあるよ」
「確か呪いにも使う」
「それある」
 水蓮さんは真剣な顔で言ってきた。
「それで大騒ぎにもなったある」
「確か歴史的事実だよね」
「隋の頃の話ある」
「あの煬帝の」
 煬帝で有名な王朝だ、その煬帝が滅ぼした国だ。
「隋でだね」
「煬帝のお父さんの文帝の頃あるが」
「その猫鬼の呪いでなんだ」
「その呪術を皇后の弟が使ったあるよ」
「皇后の弟さんが」
「独孤陀といったあるが」
 苗字が二文字なのが中国的じゃないのは皇后の一族が元々漢民族ではなかったからと聞いたことがある。
「この人がある」
「その呪いを使って」
「よりによって皇后を呪い殺そうとしたある」
「自分のお姉さんを」
「まず言うあるが」
 水蓮さんは僕とジョーンさんに真剣な顔のまま言ってきた。
「人を呪い殺そうとする奴は碌な奴じゃないある」
「まずその時点で駄目ってことだね」
「そしてこの独孤陀もある」
「悪人だったんだ」
「人を殺してある」
 そうしてというのだ。
「その財産を奪い取る様な奴だったある」
「筋金入りの悪人ネ」
 ジューンさんもその話を聞いてこう言った。 
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