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八条学園騒動記

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第四百九十六話 ブルーアイズその十

「いつも無表情だから」
「学校ではいつもそうにしても」
「お店では違うの」
「そうよ」
「じゃあ笑える?今」
「今ここで」
「ええ、出来る?」
 プリシラにそれならと言った。
「ここで」
「それじゃあ」
 プリシラはジュディのその言葉を受けてだった、一瞬だが笑ってみせた。するとジュディは仰天して言った。
「本当に笑ったわね」
「見ての通りね」
「いや、まさかね」
「本当に笑えたことがなのね」
「驚きよ」
「そうよね。けれどね」
 プリシラから言った言葉だ。
「私も笑えるから」
「今してみせた通りに」
「そう、笑えて」
 そしてというのだ。
「お店でも働けるの」
「そうよね」
「だから」
 プリシラはさらに言った。
「大丈夫なのよ」
「そうなのね」
「ええ。それでハンバーガーはね」
 ここでまた商品の話をした。
「やっぱり安定して売れるわ」
「ハンバーガーはそうよね」
「安定して」
 そしてというのだ。
「売れるの」
「そうよね、後ね」
「後?」
「飲みものだとコーラ」
 この商品がというのだ。
「一番売れるわ」
「ハンバーガーにコーラって定番だし」
「よく売れるわ」
「そうでしょうね」
「ちなみに私もよく飲むわ」
 そのコーラをというのだ。
「あとバニラシェイクも」
「バニラシェイクね、私もね」
「好きよね」
「結構以上にね」
 バニラシェイクについてだ、ジュディは笑って話した。
「好きよ」
「そうよね」
「苺シェイクもね」
 こちらのシェイクもというのだ。
「好きよ」
「そうなのね」
「そう、だから」
「うちのお店に来たら」
「飲みものはね」
「バニラシェイクか苺シェイクね」
「どっちかにするかも」
 プリシラに考える顔で答えた。
「その時は」
「それでハンバーガーは」
「普通のかチーズバーガーか」
「定番ね」
「二段もね」
「お店には五段もあるわ」
 それだけのハンバーガーもあるというのだ。
「ハンバーガーだけじゃなくてね」
「他のも挟んでるのね」
「スパム、ベーコン、カツ、あとチキンバーガー」
「合わせて五段ね」
「スパムバーガーも」
 それもというのだ。
「人気あるし」
「スパムね」
「ジュディはスパムはどうかしら」
「好きよ」
 ジュディは即座に答えた。
「そっちもね」
「そうなのね」
「特に焼いたのが」
「焼いてるわよ」
 実際にとだ、プリシラは答えた。
「ステーキみたいに」
「それはいいわね」
「じゃあスパムバーガーも」
「その五段食べたくなったわ」
 ジュディはプリシラに考える顔で答えた。
「むしろね」
「そうなったの」
「ボリュームありそうだし」
「実際にかなりあるわ」
「だったらね」
 一個で満腹、ジュディはこう思いつつ話した。
「それ注文しようかしら」
「ええ、そう思ったらね」
「その五段バーガー注文するわね」
 プリシラのいる店に来たらというのだ。
「そうさせてもらうわね」
「楽しみに待ってるわ」
「楽しみに行かせてもらうわ」
「お酒はないけれど」
「それはもうわかってるから」
 プリシラの無表情でのジョークに笑って応えてだ、ジュディは笑顔で彼女の店に行くことを約束した。そうしてその日のうちに行くことを彼女の中で決めた。


ブルーアイズ   完


                  2018・10・16 
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