八条学園騒動記
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第四百九十六話 ブルーアイズその九
「また違うでしょ」
「そう言われると」
「だからこの場合の天使の笑顔は」
それはというと。
「純粋な笑顔ってことよ」
「慈愛の笑顔ね」
「そう、それだから」
「慈愛ね」
「そうした笑顔出来るかしら」
「多分」
これがプリシラの返事だった。
「注文を受けたら」
「出来るのね、じゃあ」
「ジュディがお店に来て注文したら」
「その時は」
「その笑顔を出すわ、料金は」
「〇テラよね」
「そうよ」
つまり無料だというのだ。
「だから安心して」
「お金かからないのよね」
「スマイルは無料よ。けれどね」
「ただより高いものないわよね」
「だからスマイルは大事なの」
資本主義においてはだ、これがかなりの売り上げにつながったりするから馬鹿には出来ないのである。
「うちのお店でも」
「そうよね、お店はね」
「まずは笑顔ね」
「本当にね」
実際にという返事だった、ジュディのそれも。
「スマイルがないお店は」
「あるにはあっても」
「特別なお店ね」
「頑固親父がやってるお店とか」
「偏屈なね」
そうした店はこの時代でもあるにはある。
「それならあるけれど」
「レアケースよね」
「それが売りっていう」
その店のだ。
「それはそれで商売の仕方で」
「そうよね」
「ただサービスが悪い場合もあるけれど」
ジュディはこのケースも話した。
「単にね」
「駄目なお店ね」
「お店の人が不愛想だと」
「よくないわね」
「うん、だからね」
「そうしたお店は潰れるわね」
「大抵そうなるわね」
サービスの悪い店はそれだけでマイナスだからだ、そうなるのも当然のことだ。
「実際に。ただ」
「私のことね」
「プリシラもね」
かく言う彼女もというのだ。
「客商売をしていることは」
「信じられないのね」
「ええ」
実際にとだ、ジュディはプリシラに答えた。
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