| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四百九十六話 ブルーアイズその八

「王子様がいいわ」
「わかったわ。他には執事や光源氏もあるけれど」
「多いわね、スマイルの種類」
「何十もあるわ」
「何十もあると」
 それこそと言ったジュディだった。
「全部出来る?」
「私は出来るわ」
「本当に?」
「一応。ただ」
「ただ?」
「出来ているというのは主観で」
 それでというのだ。
「出来ているかいないかは」
「わからないのね」
「客観的にどうかは」 
 他の者の評価、それはというのだ。
「わからないわ」
「それが現実ってことね」
「現実は残酷というか」
「自分が出来ていると思っていてもね」
「実際はどうかわからないから」
「その論理で言うとあんたも」
 かく言うプリシラもというのだ。
「どうなのよ」
「そう言われると」
 プリシラはジュディに無表情なまま答えた。
「かなり」
「不安かしら」
「不安は感じないけれど」
 少なくとも表情にその色は出ていない、もっと言えばプリシラは他の感情の色も顔にあまり出さない。
「それでもね」
「感じるものはあるのね」
「主観と客観はね」
「本当に別だから」
「私がしたことのない笑顔もあるし」
 店のスマイルの中にはというのだ。
「天使の様な笑顔とか」
「天使の様な」
「天使っていうと」
 ここでプリシラが言う天使はというと。
「黙示録の時の天使よね」
「その天使は破壊の天使でしょ」
 ジュディは黙示録と聞いてすぐにヨハネのそれを思い出した、この時代では予言ではなくファンタジーの題材となっている。
「だからね」
「純粋な優しい笑顔じゃなくて」
「破壊と殺戮を行う」
「破壊者の笑顔ね」
「そんな笑顔だから」
「天使の笑顔といっても」
「多くの人が普通にイメージするね」
「そんな笑顔じゃないのね」
 プリシラも納得した感じになって述べた。
「そうなのね」
「そうよ。というかそこで黙示録出すのが」
 それがともだ、ジュディはプリシラに話した。
「あんたらしいけれどね」
「そうなの」
「ええ、普通は天使の笑顔っていうと」
 その笑顔はというと。
「純粋で無限の慈愛を持つね」
「そんな笑顔なのね」
「そう、天使は普通は」
「慈愛の存在なのね」
「何でそこで黙示録なのよ」
「インパクトが強いから」
 それでとだ、プリシラはジュディに答えた。
「思ったけれど」
「確かにインパクト強烈だけれどね」
 ジュディもこのことは認めた。
「けれどね」
「それでもなのね」
「インパクトが問題か」
 それはというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧