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八条学園騒動記

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第四百九十六話 ブルーアイズその三

「その種類によってね」
「違うのね」
「嫌味な笑顔や馬鹿にした笑顔だったら」
 それならというのだ。
「嫌でしょ」
「そう言われると」
「あんたもそう思うわね」
「ええ」
 プリシラも否定しなかった、だがその表情は無表情なままだ。
「そう言われたら」
「残忍な笑顔とか悪意に満ちた笑顔とか」
 ジュディはよく言われる嫌な笑顔についてさらに述べた。
「そんなのだったらね」
「嫌になるから」
「そうよ、だからね」
 それ故にというのだ。
「あんたの笑顔って想像出来ないにしても」
「私はなの」
「嫌な笑顔ってあるのよ、あと笑顔でも」
 それを向けていてもというのだ。
「その実はね」
「素顔はどうか」
「そう、とんでもないこと考えているとかもあるじゃない」
「笑顔は仮面で」
「そんなこともあるから」
 だからだというのだ。
「私もね」
「言うのね」
「そう、笑顔を向けられて悪い気はしないか」
「そのことは」
「案外はっきりとは言えないのよ」
「嫌な笑顔ね」
「一番極端な例は」
 それはというと。
「サイコ殺人鬼のね」
「狂った笑顔ね」
「そんなの見たい?リアルで」
「いいえ」
 一言でだ、プリシラはジュディに答えた。
「とても」
「そうよね」
「そんな笑顔見る時は」
「絶対に命に危険がある時でしょ」
「それが殺人鬼の本性だから」
「そんな笑顔見るなんて」
 それこそとだ、また言ったジュディだった。
「私にしてもね」
「願い下げね」
「見たい筈ないでしょ」
 それこそとだ、ジュディはプリシラに答えた。
「それこそ」
「やっぱりそうね」
「そうよ、それこそね」
 まさにとだ、またプリシラに話した。
「見たくないというか」
「それ以前に」
「出会いたくないわ」
「殺人鬼に出会ったら」
「自分もってなるから」
「そうよね」
「中には無差別なのもいるし」
 出会った者をその機会があれば殺す、それを己の無上の快楽としている殺人鬼も存在しているのだ。所謂快楽殺人者だ。
「会いたくもないわよ」
「世の中本当にそうした人がいるから」
 プリシラはこの恐ろしい現実をクールな顔で述べた。
「怖いわね」
「全く以てね」
「何処にでもいる可能性があるわ」
「そうなのね」
「ひょっとして」
 やはり無表情のまま言うプリシラだった。
「お隣に住んでいるのが」
「それ漫画とか小説でよくある展開よね」
「一見普通かあからさまにおかしいか」
「どっちかのパターンでいるわね」
「そしてそれは創作に限らず」
「リアルでもで」
「だから怖いの」
 この現実を言うのだった。 
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