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八条学園騒動記

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第四百九十六話 ブルーアイズその二

「また読んでくれ」
「わかりました」
「それでスマイルは追加注文出来るかい?」
「一度だけです」
 やはり無表情で答える。
「そちらは」
「そうか、じゃあまた来たらだな」
「ご注文をお願いします」
 こう言ってだ、プリシラはその客との応対を終えた、そのうえでアルバイトを続けた。
 そしてその翌日プリシラにジュディがクラスで笑って声をかけた。
「ねえ、ちょっといい?」
「何かしら」
「あんたハンバーガーショップでアルバイトしてるわよね」
「ええ」
 その通りだとだ、プリシラも答えた。
「その通りよ」
「そうよね、じゃあ余ったハンバーガーとかは」
「貰うことも多いわ」
 プリシラはすぐに答えた。
「そのこともね」
「そうよね」
「そしてね」
 さらに言うプリシラだった。
「これが助かってるの」
「お店で働いてる人の強みね」
「あとね」
「あと?」
「あまることもね」
 このこともというのだ。
「お店も計算してるから」
「そのうえで営業してるの」
「そう、そのうえで利益を出してるの」
「その辺りちゃんとしてるのね」
「ちゃんとしないと」
 それこそと言うプリシラだった。
「さもないとね」
「赤字になって」
「経営出来なくなるから」
 そして店は潰れるからだというのだ。
「店長さんもね」
「そこはしっかりとなのね」
「わかって」
 そしてというのだ。
「経営してるわ」
「じゃああんたがいつも貰うハンバーガーは」
「その分も計算されてなの」
 そのうえでというのだ。
「お店も仕入れてるの。ちなみに好物はチーズバーガー」
「それなのね」
「よく食べるわ」
「成程ね、ただね」
「ただ。何かしら」
「いや、ハンバーガーショップっていうかああしたお店は」
 チェーン店、食べものを扱っているそれ全体の話もするのだった。
「スマイルもあるわよね」
「それは絶対ね」
「そうよね」
「スマイルがあれば」
 それでと言うプリシラだった。
「お客さんが来てくれるから」
「笑顔が大事ってことね」
「いらっしゃいませって言って」
 そうしてというのだ。
「そのうえで」
「やっていくことね」
「そう」
 こうジュディに述べた。
「ここは」
「そういうことね、やっぱり」
「それに」
「それに?」
「笑顔を向けられて嫌な人はいないわ」
 こうも言うのだった。
「そうね」
「そこは笑顔によるでしょ」
 これがジュディの返事だった。 
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