八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十四話 それぞれの国の活劇その十五
「そうした創作は」
「出来るよ、多分」
僕は脳内で白鯨のストーリーと登場人物を出してから答えた。
「船の中で男ばかりじゃない」
「だったら」
「もう簡単にね」
「そういう話に出来るんだ」
「むしろそうした創作しやすいかな」
白鯨の場合はとだ、僕はこうも答えた。
「だって閉鎖された船の中で男ばかりだから」
「あの作品暗いけれど」
「モビーディッグとの戦いでね」
一説によるとモビーディッグは自然の象徴らしい、自然に人間が勝てる筈がないという話だと言う人もいるとのことだ。
「それでだね」
「暗いけれど」
「主人公以外皆死ぬしね」
「モビーディッグの体当たりで船が沈んでね」
それでモビーディッグの生死はわからない、敗北と言っていいだろう。
「そうなったから」
「暗い作品世界なのは事実だね」
「それでね」
ジョーンズ君は僕にさらに話してくれた。
「腐女子の人達も無理かなって思ったけれど」
「あの人達作品の明るい暗い関係ないから」
「どう設定出来て描けるかなんだ」
「そうなんだ、もう男しかいなくて」
「閉鎖された空間なら」
「ひょっとしたらエイハブ船長のハーレムもね」
ただしハーレムといっても女性はいない、腐女子の人達の世界では男同士でもハーレムになる。尚これは女同士でも普通にある。
「創作出来るかも」
「物凄いね」
「そうした人達だから」
「腐女子の人達は怖いんだね」
「僕達とはまた違うから」
このことは本当に断った。
「そこはわかってね」
「よくわかったよ、凄い人達がいるね」
ジョーンズ君は半分呆然としながら僕の言葉に頷いた、そして僕はこの日も三銃士を読んだけれどついついカップリングも想像してしまった。
第百九十四話 完
2018・7・1
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