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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十四話 それぞれの国の活劇その十

「それで僕もね」
「カトリックで」
「クランはかなり極端なワスプ主義なんだ」
「宗教もプロテスタントなんだ」
「そうじゃなればって言うから」
「君もクラン好きじゃないんだ」
「そうだよ、日本にいたら」
 今彼がいるこの国ではというと。
「カトリックとプロテスタントの違いないよね」
「全然意識されてないね」
 本当にこう言っていい。
「仏教も色々な宗派あるし」
「その宗派の違いってないよね」
「浄土真宗でも禅宗でもね」
 勿論他の宗派も同じだ。
「大した違いないよ」
「そういうのアメリカではないから」
「重要な問題になるんだね」
「神父さんか牧師さんか」
 神父さんがカトリック、牧師さんがプロテスタントだ。日本ではどちらがどちらかわからない人もいる。
「大事だよ」
「それで神父さんだと」
「クランは攻撃しかねないんだ」
「プロテスタントだから」
「勿論アフリカ系もユダヤ系もで」
「アジア系もだね」
「そう、それもかなり暴力的だし」
 このことは有名だ、一九二〇年代の最盛期はリンチ事件を多く起こしていたという。
「フォレスト大佐が離れたこともね」
「わかるんだ」
「どんどん過激化してたっていうから」
「フォレスト大佐も間違っているって思って」
「離れたこともね」
 それもというのだ。
「当然だと思うよ」
「そうなんだね」
「実際個人の能力って大差ないしね」
 人間のそれはというのだ。
「努力次第で何とでもなるじゃない」
「うん、人種とか民族に関係なくね」
「勿論宗教でもね」
「全然関係ないよね」
「そうだよね」
 僕はジョーンズ君に応えて頷いた。
「結局は」
「クランの人達はワスプ主義だけれど」
「白人至上主義でもあって」
「けれど」
「実はだよね」
「結局人種の違いってないから」
 こうした意味でも同じ人間だ、能力のことについても。
「僕もそう思うよ」
「そうだね、関係があるのは」
「やっぱりね」
「個人だよね」
 僕も同じ考えだ。
「それでそのクランの人が多いから」
「あの作品は批判もされているんだ」
「そうなるね」
「そう、そしてね」
 僕にさらに話してくれた。
「色々言われたんだよ」
「名作だと思うけれどね」
「まあ名作じゃなかったら消えてるね」
「話題にもならなくて」
「そうした作品も多いしね」
「むしろそうした作品の方が多いね」
 発表されてもさして話題にならず消えていく作品の方がだ、小説だけじゃなく漫画でもアニメでもゲームでも音楽でもどれだけそうした作品があるか。 
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