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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十四話 それぞれの国の活劇その九

「だからね」
「そのクランの人が多いから」
「あの作品はそこからも批判を受けているんだ」
「そうだったんだね」
「当時のアメリカはね」
「奴隷制で揉めていたから」
「それが背景にあって南部と北部の対立があって」
 経済的な対立が深かったという、それでアメリカは南北に分裂寸前で実際に分裂してしまったのだ。
「それで戦争になってな」
「その時代の作品で」
「アフリカ系の問題は余計に絡むんだよ」
「しかも主人公の家は奴隷が多かった筈なのに」
「ほぼ書かれていないし」
「クランに入っている登場人物も多くて」
「批判されていて」
 ジョーンズ君は僕にさらに話した。
「否定もされているんだ」
「否定までいっているんだ」
「うん、アフリカ系の人で多いよ」
「当人さん達だし」
「うちの学園のアメリカ人でもアフリカ系の人多いね」
「多いね」
 実際にだ、僕も親しい人がいる。
「アジア系もヒスパニック系もね」
「あっちの子達は好きじゃないと思うよ、あの作品は」
「そうした問題があるから」
「この問題は本当に複雑だから」
 アフリカ系、ひいてはアメリカの人種問題はだ。
「批判されていてもまだクランもあるしね」
「そういえば元クランの大統領候補いたっていうけれど」
「それ僕達が生まれる前の話だよ」
 ジョーンズ君が僕に言ってきた。
「もうね」
「そうだったんだ」
「その人所属していた政党から締め出されていたし」
 かなり徹底していると言えた。
「アメリカでも相当に評判悪い人なんだ」
「そうだったんだ」
「何しろクランってカトリックも攻撃するから」
「同じ白人でもなんだ」
「そう、僕実はカトリックなんだ」
 こちらの宗派だというのだ。
「だからね」
「ああ、カトリックとプロテスタントの違い大きいからね」
「欧州じゃそれで殺し合いにもなったし」 
 三十年戦争とかだ、もうこの戦争でどれだけの人が犠牲になったかわからない。ドイツの国土が焦土になったという位だ。
「アメリカじゃそこまでいかないけれど」
「重要な問題なんだね」
「ワスプって言葉わるじゃない」
「白人、アングロサクソン、プロテスタントだね」
「ずっとアメリカの主流ってされていたんだよ」
「それ僕も知ってるよ」
 これは建国の頃からだ、アメリカが元々イギリスからの移民により建国されたことが大きいのは言うまでもない。
「アメリカの大統領もね」
「長い間アングロサクソンでね」
「プロテスタントだったね」
「だからケネディって大きかったんだ」
「ええと、あの人は確か」
「アイルランド系でカトリックだったんだ」
 同じ白人でもだ、この二つが違っていた。
「日本で有名なマッカーサーもスコットランド系だしね」
「ああ、あの人ケルト系だからね」
「マックって付くよね、名前に」
「あれケルト人の名前だからね」
 マックは日本語だとその家の息子という意味になる、マッカーサーは正確な英語読みだとマックアーサーとなる。アーサー家の息子という意味だ。
「完全に」
「しかもカトリックだったから」
「当時のアメリカでは主流じゃなかったんだ」
「そうだったんだ」
 実際にとだ、ジョーンズ君も答えてくれた。 
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