八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十四話 それぞれの国の活劇その十一
「色々なジャンルで」
「そうだよね」
「そう思うと風と共に去りぬはいいね」
「批判され続けていても」
それでもだ。
「読まれていっているからね」
「映画にもなって続編にもなって」
「語り継がれているから」
「いいよね」
二人で頷き合うことになった、そして。
僕はここでジョーンズ君にこう言った。
「今度風と共に去りぬもしっかり読みたいけれど」
「そうしてみるんだ」
「うん、ただね」
「ただ?」
「今読んでいる作品はしっかり読むよ」
読破することをここで言った。
「三銃士をね」
「ああ、フランスの作品だね」
「デュマのね」
「あれ面白いよね」
「うん、今夢中になっているよ」
読んでいると存外面白い、本当に文章の翻訳次第でライトノベルになると思いながら読んでいっている。
「活劇としてね」
「あれは活劇だね」
「風と共に去りぬは恋愛だけれどね」
「三銃士も恋愛要素あるよね」
「あるけれどね」
僕はジョーンズ君の言葉には少しバツの悪い顔で答えた。
「原作はあんまり、なんだよね」
「そうなんだ」
「ダルタニャンにも三銃士にもね」
「じゃあ硬派の作品なんだ」
「そんな感じだね」
読んでみるとだ、ライトノベルみたいな作風でもだ。
「日本の今のアニメとかみたいにね」
「女の子一杯出るとかじゃないんだ」
「あんなには出ないね」
それこそ出演者が女性声優さんが普通に七割オーバーになる位はだ。
「とても」
「そうなんだ」
「これ巌窟王でもそうだよ」
「あっ、モンテ=クリスト伯だね」
ジョーンズ君は巌窟王と聞いてこう言った。
「日本じゃそう呼んだね」
「うん、こちらでもね」
同じデュマの作品だ、これも長い作品だ。
「女性の登場人物出るけれど」
「今の日本のアニメみたいには出ないね」
「あんなに一杯出ないよ」
「日本じゃハーレムとかいうけれど」
「あんなには出ないよ」
とてもとだ、僕はジョーンズ君に巌窟王のことも話した。
「どっちかっていうと男性キャラの方が多いよ」
「三銃士と一緒で」
「まあ日本でもそうした作品あるけれど」
「アニメでもだね」
「女性のアニメファン向けのね」
こうした作品の収益がかなり大きいらしい、刀を美少年化したりとかそうした作品がかなり受けている。
「最近どんどん増えていっているね」
「所謂イケメン声優さんが一杯出ていて」
「そうなんだ、昔のギャグ漫画でも」
あの赤塚不二夫先生の作品だ。
「男性の人気声優さんが大勢出てね」
「大人気だったんだね」
「そうだったけれど」
「じゃあ三銃士はそんな作品かな」
「言われてみればそうだね、女の子が読んだら」
もうそれこそだ。
「三銃士は美形が大勢出る活劇だね」
「戦いあり友情ありの」
「そうなるね、ミステリ―要素もあるし」
ここでまた鉄仮面のことを思い出した。
「男の人のものじゃなくて」
「女の子向けだね」
「そっちになるかな」
「それじゃあ」
ここでジョーンズ君は首を傾げさせてこうも言った。
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