八条学園騒動記
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第四百九十五話 カフェインの強さその九
「よくわかったわ」
「僕達はいつも一緒だからね」
「寝る時もなのね」
「お互いにすぐに行ける距離にね」
そうした間隔でというのだ。
「寝てるんだ」
「そうなのね」
「それじゃあね」
「今からだね」
「寝ようね」
「午後の授業までね」
「目覚ましはチャイムがあるし」
学校の授業の開始を知らせるそれがだ、もっと言えば終わりの時にも鳴って時間を知らせてくれる。
「それを合図に」
「起きればいいから」
「目覚ましの心配はいらないね」
「ええ、全くね」
「じゃあ今から」
「寝ましょう」
こう話してだ、二人はクラスに戻ってだった。
ハンモックをかけようとするがそれでもだった。ジョンはふと教室の窓の方を見て七美にこう言った。
「日差しが強いね」
「そうなったわね」
七美も窓の方を見て答えた。
「それじゃあね」
「それじゃあ?」
「アイマスクをして」
そうしてというのだ。
「寝ましょう」
「日差し除けだね」
「そう、そうしてね」
目に日差しが入って眠気が妨げられることを避ける為にだ。
「寝ましょう」
「さもないと寝られないね」
「ええ、私は日差し気にならない方だけれど」
「そうなんだ」
「寝ようと思えば」
その時はというのだ。
「あっさり寝られるけれど」
「そうした体質なんだ」
「けれどね」
「今日の日差しは強いから」
「これだけ強いと」
見れば真夏並だ、気温はそれ程でもないがそれ自体は強い。
「それならね」
「ちゃんとアイマスクをして」
「寝るわ」
「僕もね」
ジョンも言ってきた、見ればもうアイマスクを出している。
「そうするけれど僕は日差しは気になるんだ」
「そうなの」
「だから日差しが目に入る様な場所だと」
「寝られないのね」
「だからアイマスクは」
それはというのだ。
「ちゃんとね」
「して寝るのね」
「そうなんだ、じゃあね」
「ハンモックをかけたら」
「その上に入って」
そしてというのだ。
「アイマスクもちゃんとして」
「寝るのね」
「そうするよ」
「ラッシーもするの?」
「いや、ラッシーはしないから」
ジョンはラッシーについては笑って否定した。
「流石に」
「犬のアイマスクはしないでしょ」
「いや、ラッシーは僕より遥かにね」
それこそというのだ。
「すぐに寝られる体質で」
「じゃあ寝転がったら」
「それでね」
それだけというのだ、まさに。
「寝られるよ」
「私以上ね」
「そうだね、七美以上にね」
ジョンもその通りだと答えた。
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