八条学園騒動記
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第四百九十五話 カフェインの強さその八
「お抹茶だからね」
「目が冴えるっていうの」
「そこは大丈夫かな」
「少しだったら大丈夫でしょ」
これが七美の返事だった。
「別に」
「そうかな」
「そう、少しだったらね」
「目が冴えないで」
「寝られるわよ」
そうなるというのだ。
「だからね」
「安心して寝ていいんだ」
「そうでしょ、じゃあね」
「クラスに帰って」
「お昼寝しましょう、それもね」
七美はさらに話した。
「ハンモックをかけて」
「机にうっ伏して寝るんじゃなくて」
「あれ寝心地悪いでしょ」
どうにもとだ、難しい顔で答えた七美だった。
「だからね、ハンモックかけて」
「その中に入って」
「寝ればいいのよ、これそんなにスペース取らないし」
「高い場所だと人の頭にも当たらないし」
「その意味でもいいから」
だからだというのだ。
「ここはね」
「ハンモックをかけて」
「寝ればいいのよ」
そうすればというのだ。
「午後の授業までね」
「それじゃあ」
「あとね」
七美はジョンにさらに話した。
「もう一つ折り畳み式ソファーがあったら」
「それをベッドみたいにして」
「寝る方法もあるけれど」
「それは場所取るから」
「ハンモックと違ってね」
「お勧めじゃないんだ」
「クラスでお昼寝するにはね」
どうにもというのだ。
「やっぱりハンモックよ」
「そっちなんだね」
「ジョンも持ってるでしょ」
「まあね、というかこの前貰ったんだ」
ジョンはラッシーにおやつをあげながら答えた、そのおやつは干し魚でラッシーの好物の一つである。
「親戚からね」
「そうだったの」
「八条大学に通っている従兄から」
「従兄の人いたのね」
「そうなんだ」
こう七美に話した。
「それで今も持ってるよ」
「じゃああんたもね」
「ハンモックをかけて」
「それで寝たらいいわ」
「わかったよ、じゃあね」
ジョンも頷いた、そうしておやつを食べて上機嫌なラッシーを連れて七美と共にクラスに戻ってだった。
ハンモックをかけた、ジョンはかけてからまた言った。
「僕はここで寝てラッシーはね」
「ラッシ―の分のハンモックはないでしょ」
「それはいらないというか」
「犬にハンモックって」
「ないよね」
「聞いたことがないわ」
実際にとだ、七美も答えた。
「犬が寝るとしたら」
「丸くなってね」
夏だと身体を伸ばす、理由は簡単で暑いからだ。
「そうして寝るからね」
「ハンモックについては」
「いらないよね」
「じゃあラッシーはあんたのすぐ下で」
「寝ることになるね」
「ワン」
ラッシーもここで返事をした、七美もその返事を聞いて頷いた。
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